「メンタル的に打ちのめされ…」中村敬斗、契約解消に向けた動きの原因は? トゥベンテ地元紙が分析

2020年06月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

チームから期待されるも…

強豪PSVとの開幕戦でゴールを奪うなど鮮烈なインパクトを残した中村だったが、それ以降は満足のいく結果を残せなかった。 (C) Getty Images

 日本サッカー界の若き俊英が岐路に立たされている。

 現地時間5月29日にトゥベンテの地元紙『Tubantia』は、現在ガンバ大阪から2年間のレンタル移籍中の中村敬斗とクラブが契約解消に向けた話し合いを行なっていると報じた。

 昨夏にガンバ大阪から2021年6月30日までの期限付きでトゥベンテに加入した中村。だが、ウインターブレイク以降は出場機会が激減し、エールディビジが打ち切りになるまでの全8試合でスタメン落ちと大きく序列を下げていた。

 そうした状況下で、「全ての当事者は契約解消の方法を模索している」と中村が窮状を報じた『Tubantia』は、現地時間5月30日に情報を更新。欧州挑戦1年目の若武者が退団に迫っているワケを分析した。

 同記事によれば、入団当初の中村は、日本からの新規ファン獲得に貢献するなど、大きな期待を寄せられ、テクニカルディレクターのテッド・ヴァン・レーヴェン氏からも「クラブがわずかな出費しかせずに、あれだけの優秀な人材を手に入れられたのは奇跡だ」と才能を買われていたという。

 では、なぜウインターブレイク明けから序列が下がり、今回の契約解消に向けた動きにまで発展してしまったのか。同紙は、中村本人がオランダに馴染めなかったことが原因だと伝えている。
 
「ナカムラはヨーロッパでの活躍の仕方がすぐに見いだせない典型的な若い日本人だった。彼らは優秀な人材だが、やはりここでの生活はカルチャーショックだ。日本の文化を知る愛好家たちは常にその問題を警告している。クラブもそれを理解したうえで、西洋の国までやって来た若者に異なった接し方をしなければいけなかった。

 彼がホームシックになっているという印象はなかったが、英語やオランダに対する知識の欠如がナカムラの邪魔をした。それによってコーチ陣やチームメイトたちとのコミュニケーションが困難になり、チーム戦術の原則が理解できなかったのだ」

 また、昨年12月に本拠地で行なわれたフィテッセ戦(エールディビジ第17節)で、先発しながらも39分で交代させられた中村が、ホームサポーターからブーイングを浴びせられた際に、チームからアフターケアをほとんど受けられなかった点も「日本人を苦しめた」と記した『Tubantia』は、こうも続けている。

「ナカムラはもはやメンタル的に打ちのめされ、そこから立ち直れなくなっていた。ウインターブレイク明けはほとんどをセカンドチームで過ごした彼の状況は、テクニカルスタッフも頼れず、さらに悪化していった」

『Tubantia』をはじめとする一部のオランダ・メディアでは、すでに中村の下にベルギーやドイツの複数クラブからのオファーが舞い込んでいると報じているが、果たして、19歳の若武者はいかなる決断を下すのか。再起の行方に注目したい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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