コロナから復活した酒井高徳、約2か月ぶりのプレーに抱いた気持ちは?

2020年05月27日 サッカーダイジェスト編集部

「こもっていることの辛さ」や身体能力の低下を痛感も

練習後にオンラインで取材に応じた酒井。元気な姿を見せた。画像はスクリーンショット

 ヴィッセル神戸の酒井高徳が5月27日、オンラインで複数メディアに対して取材に応じた。

 チームは同25日からトレーニングを再開している。当面はいくつかのグループに分かれてコンディション調整メニューが主体で、オンラインでの練習日を挟みながら行われる予定だ。全体練習をスタートするまではまだ時間がかかりそうだが、それでも約2か月ぶりにピッチに出てボールを蹴る感覚には格別なものがあるだろう。

 酒井は「自粛期間も入院期間も含めてサッカーに関われない時期が長く続いたので、またこうやって芝生の上でボールを蹴りながら仲間たちとプレーできるのは、素直にすごく嬉しいです。その喜びを噛みしめて、その時間を大事にしています」と、柔らかな表情で語る。

 酒井は不運にもJリーガーで感染者"第1号"となってしまった。3月30日に入院してから、退院する4月25日までの1か月間は、「こもっていることの辛さ」や身体能力の低下を痛感したという。

「まだ練習の負荷が高いわけではないので、今のコンディションを確認するのは難しいですけど、当たり前のように心肺機能や足の重たさなど、そういう違いは感じる。入院中は病院に協力してもらって食事の量を増やしてもらったりしていただいたので、大きな変化はなかったです。ただ筋力の低下は免れないし、実際に感じました」
 
 身をもって新型コロナウイルスの恐怖を体感した酒井だからこそ「大変な感染症で、苦しい想いをしている方々がいっぱいいるなかで、僕は健康になって病院を出られた。そのことが一番の幸せ。周りもそうだし、医療関係者の皆様にも感謝しています」と、無事に回復した幸せと、それに協力してくれた周囲の助けに感謝を述べた。

 そんな苦しい状況で支えになったのは、ファン・サポーターの応援メッセージや家族の「早く会いたいね」という言葉だったという。

 そうした声をかけくれた人たちへ、リーグ再開後に"恩返し"をしたいという気持ちも大きい。

「たくさんの方から励ましや退院おめでとうという連絡を、今でももらうので、そういった方々にも自分の元気な姿、活躍している姿を見せて恩返しがしたい。僕らもそうだし、いろんな方が再開を待ち侘びていたと思う。僕も含め選手たちが思い切りサッカーをしている姿を見せたい。降格がないとか変則的なルールのなかでもモチベーションやプロ意識を高く保って、サッカーを通して恩返しをする。それが僕らの仕事の一部だと思っています」

 そう意気込んでいる酒井が、リーグ再開後に溌剌としたプレーを再び見せてくれるはずだ。

構成●サッカーダイジェスト編集部
 
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