「協会は少し古い体制」新技術委員長の反町康治氏が掲げる“四位一体”の強化策とJFAへの印象は?

2020年05月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

ワールドカップでベスト16の壁突破を…

ウェブ上でメディアブリーフィングを行なった反町氏。写真はオンライン会議アプリ「Zoom」の会議中のスクリーンショット。

 日本サッカー協会(JFA)は5月21日、本年度の第1回技術委員会を開催。その後にウェブ上で新たに技術委員長に就任した反町康治氏がメディアブリーフィングを行なった。

 反町氏は、昨季終了後に8年に渡って務めていた松本山雅FCの監督を退任。その後、3月29日に関塚隆氏(現ナショナルチームダイレクター)の後を継いで、技術委員長に正式着任していた。ブリーフィングの冒頭では技術委員長就任の経緯を以下のように説明した。

「松本山雅を退任して、Jリーグの開幕戦が始まる直前に田嶋会長からお話を頂いた。少し自分の中で整理する時間が欲しいと話し、その後決断させて頂いた。今まで19年、ほとんど休みなく、監督という現場で仕事をさせてもらい、北京五輪代表チームをはじめ、常にどこのチームにいた時も、日本のサッカーの発展、成長を考えてやって来たという面はある」とその意欲を語る。

 しかし、実際に動き出した4月には新型コロナウイルスの影響もあって、自粛・自宅待機が続くなか、JFAの職員、関係者とは実際に会えない状況が続いている。反町氏は、「まだ生では会えていませんが、オンラインを通じて、いろんな方々、部署、委員会とコミュニケーションがとれていて、僕としてはかなり見えてきた部分もある」と語り、いまだ対面でのコミュニケーションはないものの、不安はない様子だ。

 技術委員長の職に意気込みを見せる反町氏はまた、「ワールドカップの大会だけ特別強いチームが生まれるということはない。4年間の活動、サッカー界全体が集約されたものだと思う。そのためにどうするかということ。私の仕事は、次の試合に向けて一番良い状況を保って、一番良いパフォーマンスを出して、試合に勝つチームを作り上げること。同時に、5年後、10年後と同じような大会でそれ以上に強いチームを作ること」とワールドカップでのベスト16の壁突破を見据える。
 
 第一手となるのが「四位一体」の強化策だ。「そんな言葉はないんですけどね」と笑いながらも、これまでの"代表強化"、"ユース育成"、"指導者養成"で構成される「三位一体の強化策」に加え、"普及"にも力を入れ「4つが同等のものとしてやっていかなければならない」とその必要性を説く。それはコロナ禍の影響で懸念されるサッカー離れを懸念している面もあった。

「育成年代が大きくサッカーを左右するというのは事実。日本もコロナで大きなダメージを受けている。時間が少ないことは受け入れなければならない」と語り、先日発表されたインターハイの中止などに危機感を募らせた。その一方でJFAとしても「プレミアリーグ」「プリンスリーグ」の再開に向けて尽力している。現状では7、8月は厳しいものの「9月からは状況によって可能性を探っている。やり方は検討中だが、なるべく真剣勝負の場を用意したい。また、移動に伴うリスクもあって、例えば青森山田が関東まで来て試合をするというような、県を大きく越えての移動などは考えなければならない。全国をブロックごとに分けて、地域内でも実力差がないように出来ないかなど、大会方式の変更も含めて検討している」と語った。
 

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