「イメージの失墜は否めない!」韓国Kリーグで起きた前代未聞の“ラブドール事件”を検証

2020年05月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

マネキンが持つプラカードには製品名も

無観客試合のスタンドに現われた女性ばかりのマネキンたち。30体が持ち込まれたとされるが……。(C)REUTERS/AFLO

 5月8日に待望のシーズン開幕を迎えた韓国Kリーグで、前代未聞の事件が起きてしまった。

 日曜日に無観客で開催されたFCソウル対光州FC戦のスタンドに、あろうことかアダルトグッズと思われるマネキン、いわゆる"ラブドール"が登場していたのだ。全国スポーツ紙『スポーツソウル』がその顛末と広がる波紋を特集している。

 件の人形を手配した業者はまず、リーグを主管する韓国プロサッカー連盟に「無観客試合に我々のプレミアムフィギュア(マネキン)を配置してはいかがだろうか」と提案。それを受けて連盟側がホームチームであるFCソウルへの橋渡しをしたという。

 すでに台湾・プロ野球やドイツ・ブンデスリーガでは無観客試合のスタンドを盛り上げるべく、サクラとして大量のマネキンが活用されていた。しかもその業者は「無償での提供が可能」と投げかけたようで、FCソウル側は疑いの目を向けることなく受諾した。

 配置されたおよそ30体のうちすべてがラブドールであったかは判然としていないが、『スポーツソウル』紙は「いくつかのマネキンを一目見ただけで、おかしいことはすぐに察知できるだろう。加えてマネキンとともに設置されたプラカードには、応援メッセージのほかにアダルトグッズ業者のロゴやラブドールの製品名が記載されていた」とレポートしている。

 
 FCソウルの関係者は同紙の取材に対して、「マネキン業者の代表は依然として"プレミアムマネキンだ"と主張している。現在も我々と連絡を取り、真偽のほどを把握中だ」と語り、「真実を突き止めるには法の力を借りるしかない」とも。そして「コロナ時代にみんなで頑張って勝とう、という意味でメッセージを送ろうと試みたのだが、意図とは裏腹に物議を醸してしまい、申し訳なかった」と謝罪の言葉を述べた。

 懲戒処分を含めた今後の動向が注目されるが、同紙は「ラブドール事件が全世界のメディアに関心を受けながら、Kリーグの対外的なイメージが失墜した点は否定できない」としつつも、「ただし、クラブ側が名誉を失墜させる意図を持っていたわけではないことは、考慮されるべきだと思われる」と論じている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
参照元●スポーツソウル日本語版

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