「年齢制限の問題が出た時は…」1年延期で不安は? 板倉滉が明かした東京五輪への想い【独占】

2020年05月20日 羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb)

「この1年は充実させないといけない」

オランダで研鑽を積む板倉がオリンピックへの率直な想いを語った。 (C) Getty Images

 新型コロナウイルスの影響によって、東京オリンピックは来夏への1年延期が決まった。そのため、出場各国のメンバー選びは仕切り直しとなる。

 もちろん開催国の日本も同じだ。この1年で劇的に成長を遂げる選手もいるだろう。競争はさらに熾烈になるはずだ。そんななか、東京五輪に向けて内なる闘志を燃やしているのが、エールディビジの古豪フローニンヘンでプレーする板倉滉だ。

 ボランチとCBを巧みにこなすマルチプレーヤーとして、これまで五輪世代の軸を担ってきた板倉は、大会延期への率直な想いをこう明かした。

「オリンピック出場を目指して今シーズンも頑張ってきたので、もちろんやりたかった。ただ、残念だなと思いつつも、仕方がないと頭の中でスイッチは切り替えられています」

 とはいえ、決定直後は少なからず不安があったという。「年齢制限問題」があったからだ。現行のルールでは、23歳以下という年齢制限が設けられているため、1年延期になったことで、1997年生まれの板倉はその規定に引っ掛かってしまうのだ。同世代で、ともにオランダでプレーする中山雄太(ズウォーレ)と「俺たち出られるのかな」と話し合ったという。
 

「最初に年齢制限の問題が出てきた時は、どうなるんだろうと不安は少しだけありました。『頼むから24歳以下に変わってくれ』と。ただ、それもなるようにしかならないんで、1年間、準備できる期間が与えられたと思って、練習に集中するようにしました」

 まだ正式決定はしていないが、東京五輪では年齢制限に関する特例が認められる見込みとなっている。そうなれば、もちろん板倉はチームの主軸として期待される存在となる。

「オリンピックをチャンスと捉えています。活躍したらステップアップできるチャンスが広がるし、キャリアにおいても重要だと感じています。だから、この1年は充実させないといけない。1年という目標ができたことは、来シーズンに向けて良いモチベーションになると思います。さらに成長してオリンピックに臨むという捉え方をしているので、楽しみです」

「こんな機会はないし、絶対に東京オリンピックに出たい。その先にワールドカップも見えてくる」とさらなるステップアップも見据えた板倉。オランダで心身ともに揉まれた俊英の言葉に、逞しさを感じた。

取材・文●羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事