「革命的な移籍だった」元ボカ戦士が19年前に電撃加入した高原直泰を回想!「野心に溢れていた…」

2020年05月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

ボカ来日時に感じた「奇妙な雰囲気」とは?

大きな話題を呼んだ高原のボカ移籍。その当時の記憶を同世代のチームメイトが明かした。 (C) REUTERS/AFLO

 今から19年前に鳴り物入りで、日本から南米サッカー界屈指の名門ボカ・ジュニオルスに加わったのが、高原直泰だ。

 日韓ワールドカップを翌年に控えた2001年8月に、アジア圏におけるクラブのブランド力を高めようという当時のボカ会長でもあったマウリシオ・マクリ氏の意向もあって、入団が決まった高原。だが、カルロス・ビアンチ監督ら首脳陣の信頼を勝ち取れずに公式戦6試合で1ゴールを挙げるに留まった。

 最終的に通貨価値が1週間で半分以下になるなど、アルゼンチンの国内情勢が混乱したこともあり、わずか半年で契約解除となった高原について、当時のチームメイトであるグスタボ・ピントが回想した。

 アルゼンチンのラジオ番組『Pasion Azul y Oro』に出演したピントは、元日本代表FWの印象についてこう語った。

「タカハラはとても技術的で、野心に溢れていた。彼自身の状態はとても良かったけど、タカハラを止めてしまったのは"世界水準"にあったボカだ。チームが彼を上回ったんだ」
 
 高原と同世代のピントは、2001年の12月に開催されたバイエルンとのトヨタカップで来日した際の想いを明かしている。同大会の直前で高原はメンバー落ちをしていた。

「私たちが日本へ着いた時、多くの人々がタカハラを待っていた。空港には彼のユニホームを着て、写真を掲げる人がたくさんいたんだよ。だから、少しばかり奇妙な雰囲気だった。当時、タカハラの移籍は革命的だったから、日本のファンは、彼が見られないことに怒っていたようだった」

 さらに「これだけは言える。タカハラは良い選手だった」と語ったピントは、最後にこう語っている。

「ボカでの結果が示すように、彼は試合では上手くやれなかった。でも、日を追うごとに面白いプレーをするようになっていたんだ。卓越したボールコントロールと両足で良いシュートを打っていたしね。あとはヘディングシュートも優れていた。タカハラはそういった潜在能力を全て、ハンブルクで証明した」

 ボカで半年間しか在籍できなかった高原。だが、当時のチームメイトには、今も薄れることのない鮮烈なインパクトを残していたようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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