【J再開後の注目株】開幕戦でベンチ入り!大宮の18歳ルーキー・髙田颯也に漂う大器の片鱗

2020年05月20日 松澤明美

再開後の出番増が予想されるキーマンに

ユースから昇格した髙田颯也が加わり、今季の大宮は28人中12人がアカデミー出身、14人が埼玉県出身となった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、Jリーグはいまだ中断期間にある。再開の目途は立っていないが、シーズンを戦う上で今季は総力戦となることは否めないだろう。再開後のJリーグにおいて注目すべき選手をピックアップする。

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 リーグの中断期間が長引き、再開後の過密日程によって総力戦は必至と予想されるなか、若手の活躍の場も広がりそうだ。大宮U18からトップ昇格したルーキーの髙田颯也もチャンスを窺っているひとり。変幻自在のドリブルが魅力の18歳は「試合に出させてもえたら自分の特長を出しつつ、チームのためにプレーして勝利に貢献したい」と爪を研ぐ。

 髙田は開幕の水戸戦でメンバーの座を勝ち取った。これまで大宮は19人がユースからトップ昇格しているが、開幕戦に名を連ねたのは2002年の金澤慎氏(大宮地域プロデュース部コーチ)と09年の新井涼平(現・甲府)のふたりのみ。髙田が映えある3人目だ。金澤氏と新井はスタメン出場で髙田はベンチを温めたものの、優良な攻撃陣が揃う中でのメンバー入りは高木琢也監督の期待の大きさが見て取れる。
 
 水戸戦は出番がないながらも多くのことを吸収した。髙田は「試合前から(ほかのメンバーと)一緒にいたり、アップも一緒にやったり。ベンチにいるのはユースの頃にスタンドから見ていたのと全然緊張感が違う」と"プロ"を肌身で実感。

「選手たちもすごいピリっとしているというか、公式戦ならではの空気があった。そういう面も含めて本当にいい経験ができた。まだまだ、できると思う。もっともっと成長しないといけない」

 そう目を輝かせた。

 ポジションは激戦区のシャドーが第1候補。"恩人"の黒川淳史もチーム内競争の相手だ。ジュニアユース世代の強豪・坂戸ディプロマッツから大宮U18へ入団する際、ジュニア世代で所属した江南南SSの先輩でもある黒川に相談。「自分と親、黒川選手で話す機会を設けてもらい、話を聞いて入ろうと思った。僕にとって(大宮へ導いた)すごく重要な人」と振り返る。"恩人"がライバルとなり、「遠慮していたらプロでやっていけない。仲のいい先輩でも負けないで、自分が試合に出る気持ちでやりたい」と定位置確保を目指す。

 中断期間は自主トレーニングに励む。クラブは感染予防を徹底した上で、4~5人のグループに分けてグラウンドを開放。施設の使用時間が決められており、グループ外の選手とは会うことはほとんどない。練習内容もランニングや長い距離のパスなど限られるが、髙田は「体を大きくするため筋肉強化は普段より意識してやっている」と線の細さの克服を目標に設定。黒川ら先輩にもアドバイスをもらいつつ、スケールアップへ抜かりない。

 再開後の連戦もしっかりとイメージする。髙田は言う。

「自分みたいな若い選手がどんどん出ていく方がチームの今後にもつながっていく。そうやって下からも底上げをしていって、全体のレベルが上がっていけばチームとしてもっとよくなると思う。試合では得点かアシストは必ずしたい」

 有言実行へは中断期間の過ごし方がカギ。プロ1年目で迎えた難局での経験は未来にも役立つはずだ。

 将来、大宮を代表する選手になるためにも、まずはチーム勝利の力になること。大器の片鱗を見せるルーキーならば、きっとやってのけてくれるだろう。

取材・文●松澤明美(フリーライター)

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