「欧州との差はあるけど…」神戸のサンペールが母国紙に語ったJリーグでの“発見”とは?

2020年05月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

「スペインで自信を失っていた」

神戸で2年目を迎えているサンペール。昨季は天皇杯制覇にも貢献した。 写真:徳原隆元

 ヴィッセル神戸に所属するセルジ・サンペールが、スペイン紙『MARCA』でロングインタビューに応じ、日本でのキャリアや新型コロナウイルスの影響などについて語っている。

 改めてバルセロナから神戸へ移籍した理由について問われたサンペールは、「かなり躊躇していた」と明かした。

「ただ、テニスをやっている兄が数か月前に神戸に行って、雰囲気を教えてくれた。正直、僕はスペインでいい状態ではなかった。ケガもして、自信を失っていた。だから、尊敬すべき文化のなかで、愛されていると感じながら、自信を取り戻す、いい機会になるのではないかと思ったんだ」

 そして「メッシとのトレーニングを失う代わりに(アンドレス・)イニエスタとともにトレーニングできることはハッピーだ」と明かしている。

「彼がいなければここには来なかった。アンドレスはやっぱり天才だ。彼は高いクオリティーを備えたプレーヤーであり、優秀な指導者でもある。ユニホームを共有できることもうれしい。

 Jリーグはたしかにフィジカル的にはあまり強くないし、ヨーロッパとの差はある。それでもテクニカルな選手が多くて、スピードも速い。観ていても楽しいよ。すごく成長していると思うし、数年後にはもっと大きな力になると思う」

 さらに、スペインで苦しむ若手にとっての"新たな道"を切り開いているという自覚も持っているという。

「今回のケースで、日本に行くスペインの若手の道を切り開くことになればいいなとも考えていた。チームメイトはここで僕らをお手本に学ぼうとしてくれるし、尊敬してくれる。そういう気持ちを僕も返して、学んでいることで成長していると感じる。

 日本のファンも素晴らしいよ。サポーター全員が僕にチャントを捧げてくれたことは忘れられない。本当に感謝しているんだ」

 新型コロナウイルスの影響でJリーグは中断している。神戸もクラブ活動を休止しており、選手は自宅待機が続いている。

 また、サンペールは日本での感染状況について、「彼らの文化は非常に清潔で、それがウイルスを封じ込めるのが他と比べて容易になる理由だろう。感染者は増えているけれど、最悪の状況にはなっていないと思う」と語っている。

 来日して早1年が過ぎた、バルサの下部組織育ちの25歳は、「神戸牛とスシならどっちを選ぶ?」という問いに「コウベ・ミートかな!」と笑いながら答えている。日本での日々に手応えを感じているのは間違いないようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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