「フッキは馬鹿げていた…」元ポルトガル代表MFが日本からやってきた“怪物”を回想「サッカーを分かってなかった」

2020年04月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

最初の練習で見せたフッキのプレーは…

東京ヴェルディから鳴り物入りでポルトに入団したフッキだったが……。 (C) SOCCER DIGEST

 Jリーグで異彩を放った助っ人外国人たちは枚挙に暇がない。そのなかでも記録よりも記憶に残るストライカーとして、ファンに巨大なインパクトを残したのが、かつて川崎フロンターレ、コンサドーレ札幌、東京ヴェルディを渡り歩いたフッキだ。

 鍛え上げた筋骨隆々な肉体を武器にしたパワフルかつアグレッシブなプレーで、2005年からおよそ3年間に渡ってJリーグを沸かせたスターは、その才能を買われ、08年7月にポルトガルの強豪ポルトへステップアップしていった。

 だが、欧州へ渡った当初の彼は粗削りで、チームメイトからも驚かれていたようだ。現地時間4月28日にポルトの公式メディア『Porto TV』で、元ポルトガル代表MFのラウール・メイレレスが語っている。

 その当時、ポルトのレギュラー格だったメイレレス。ポルトガル代表にも名を連ねていた名手にとって、東京Vからやってきたフッキは「驚きのあった選手だった」という。

「ポルトに加入してきた選手の中には、『何しに来たんだ』って思ったヤツもいたよ。とくに驚きがあったのはフッキだね。あいつは馬鹿げていた」

 メイレレスは、練習時のエピソードを面白おかしく振り返ってもいる。
 
「ポルトでの最初のトレーニングで、フッキは自分が何をすればいいのか、サッカーが何なのかをまるで分かっていなかったんだ。とにかくボールを受けたらターンして突き進むのみ。あとはボールを蹴り飛ばすだけだったな」

 その後、欧州でも指折りの名門で、粗削りなプレーが洗練されていったフッキ。09年の9月にブラジル代表に選出され、同年11月のイングランド戦でデビューを飾り、瞬く間に飛躍していった。

 フッキの他にもラダメル・ファルカオ(コロンビア代表FW)やルイス・ゴンサレス(元アルゼンチン代表MF)といった後のスターたちの欧州初挑戦の場に居合わせたメイレレスは、彼らとのプレーをこうまとめた。

「ファルカオも加入したばかりの頃は"迷子"だったね(笑)。ルチョ(ルイス・ゴンサレス)やパウロ・アスンソン、フェルナンドも恥ずかしくなるようなことをしていた。でも、フッキもそうだけど、彼らはやってきた時はシャイだったのに、素晴らしい進化を見せたんだ」

 10-11シーズンにはポルトガル・リーグで得点王を獲得するなど活躍したフッキ。12年9月から加入したロシアの強豪ゼニトで活躍した後、16年6月からは中国に活躍の場を移している"怪物"は、今後どのようなキャリアを辿るのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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