「日本では選手を怒鳴らないでくれと言われた」アギーレ元代表監督が当時を回顧!「何のために私と契約を…」

2020年04月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

「いまはまったく別のチームにいる」

ザッケローニの後を受けて日本代表監督となったアギーレ。だがサラゴサ時代の八百長関与疑惑によりわずか8か月で解約解除となった。(C) Getty Images

 2014年7月から翌年2月まで日本代表を指揮し、現在はラ・リーガのレガネスを率いるハビエル・アギーレ監督が、『ESPN』のインタビューに応じた。

 日本を去った後、UAEのアル・ワフダとエジプト代表で采配を振るった61歳の指揮官は、昨年11月に下位に沈んでいたレガネスの監督に就任。順位はまだ降格圏の19位だが、冬に主力を引き抜かれながらも、中断前までの15試合で4勝6分け5敗と健闘を見せている。

 エスパニョール時代以来、約5年半ぶりにスペインへ戻ってきたメキシコ人指揮官は、「プレッシャーのない生活を送ることもできるのに、なぜ戻ってきたのか?」という問いにこう答えた。

「テレビで解説をすればもっと稼げるかもしれないし、勝ち負けを気にする必要もない。レガネスからオファーがあった時、『61歳で引き受ける価値はあるか?』『挑戦しよう』と自問自答して決めたんだ。なぜか? 好きだからだよ。人の手助けをしたり、『さぁ、俺たちはできるぞ』と声を掛けたりするのが好きなんだ」

 1月の移籍市場でエースのユセフ・エン=ネシリをセビージャに引き抜かれ、そのマーケットがクローズした後に、もうひとりの得点源だったマーティン・ブライトワイトをバルセロナに強奪された。「引き受けた時と違うチームだと感じている?」という質問には「もちろん、そうだ」と返している。

「妻には、あるチームとサインしたが、いまはまったく別のチームにいる、と言っているよ」

 また、アギーレはチームマネジメントにおける"言葉"の重要性も語っている。

「(スペイン語の他に)英語を話せるので、アブダビ(アル・ワフダ)では問題なかったが、エジプトと日本では――。ボディランゲージは大いに役立つが、完全に効果的ではない」

 そして、ビセンテ・デル・ボスケとルイス・アラゴスというスペインが誇る名将がどちらもトルコで失敗したことを例に挙げ、「彼らが失敗したのは、言葉を話せず、選手に近付くことができなかったからだ。通訳が完璧でも、同じようにはいかない」とコメントし、こう続けている。

「日本では、『監督、そんなに選手を怒鳴らないでくれ』と言われたよ。なら何のために私と契約したんだい?」
 

次ページ「なぜ日本代表の監督になったのか?」という問いには――

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