「英語が喋れない彼に『クソ野郎』って…」元レッズ戦士が明かしたジェラードとディウフの“壮絶バトル”

2020年04月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

「トラウマになった」と明かしたエピソードとは?

ディウフがブラックバーンに移籍してからも衝突していたジェラード。そんな両雄の激しいやり取りが告白された。 (C) Getty Images

 かつてレッズ(リバプールの愛称)を支えた名手二人が、"犬猿の仲"、あるいはそれ以上の対立関係にあったことが暴露された。当時の舞台裏を口にした2001年から約5年間に渡ってリバプールに在籍した元フランス代表FWのフロラン・シナマ=ポンゴルだ。

 19歳にしてリバプールの一員となったシナマ=ポンゴルが、在籍5年間の思い出として振り返ったのは、当時の主将スティーブン・ジェラードとセネガル代表FWエル=ハッジ・ディウフの"対立"だ。

 2002年の日韓ワールドカップで母国をアフリカ勢初のベスト8進出に導いたディウフは、同年の夏に鳴り物入りでレンヌからリバプールに加入。21歳と若く、勢いもあったライジンスターは、チームの生え抜きで、サポーターからも愛されていたジェラードに食って掛かることが絶えなかったという。

 二人の生々しいやりとりを眼前で見ていたというシナマ=ポンゴルは、ジャーナリストのワリド・アシェルシュール氏とのビデオ対談で、こう告白した。

「酷い戦いだった。本当にトラウマになった。あれを当時の僕みたいな若い選手が見て、どう思うか? とてもプロとは呼べないとショックだったよ」

 そして、シナマ=ポンゴルは、あるプレシーズンでの壮絶な喧嘩エピソードも明かした。
 
「あるプレシーズンマッチのハーフタイムのロッカールームでディウフとジェラードがやり合っていた。でも、その時は本当にまずかった。ジェラードが『パスしろよ! お前!』って叫んでいたんだけど、ディウフは黙っていた。彼が英語を喋れなかったのもあるんだけどね。

 それを知っていたジェラードはずっとディウフを罵っていた。『クソ野郎!』ってね。それでディウフは当時の指揮官だったジェラール・ウリエ(フランス人)を捕まえて、フランス語で言ったんだ。『アイツに伝えろ。お前の母親を犯してやろうか?ってな』とね」

 チームの大黒柱であったジェラードと馬が合わず、好不調の波も激しかったディウフは、2005年に退団し、ボルトンへと移籍していった。

 そんなディウフとフランス語でコミュニケーションを取っていたというシナマ=ポンゴルは、セネガルの英雄が言い残したセリフをも明かしている。

「アイツ(ジェラード)は俺の仲間なんかじゃねぇ。いつだってやってやる」

 衝撃の仲違いを日常的に見ていたシナマ=ポンゴル。だが、「トラウマになったけど、『ああなってはいけない』とも思えたよ(笑)」と少なからず、"学び"は得ていたようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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