Jリーグ村井チェアマン「ウイルスの恐ろしさを再認識」。専門家の見解を受け「無観客試合」検討へ

2020年04月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

「選手の移動、宿泊という部分は制限される可能性も高い」

会議アプリZoomで会見を行なう村井チェアマン。(写真は会議中のスクリーンショット)

 JリーグとNPB(日本野球機構)合同による第6回 新型コロナウイルス対策連絡会議が4月23日に行なわれ、その後ウェブ上での会見が実施された。

 4月7日、同日から5月6日までの1か月間、7都府県に外出自粛を強く要請する「緊急事態宣言」が発令され、16日には対象地域が全国に拡大された。

 会見冒頭で、Jリーグの村井満チェアマンは「4月7日の緊急事態宣言から約2週間が経過しました。今回の連絡会議では、現在の情報の共有をしました。我々スポーツ界が国民に活力を与える力があると自負もある一方で、しっかりとした備えをしないといけないと認識しました。コロナウイルスの恐ろしさを再認識した次第です」と話し、情勢の厳しさについて認識したことを報告。NPBの斉藤惇コミッショナーも、「(緊急事態宣言が)解除されない限りは試合の開催は難しい」と同調した。

 一方、座長の東北医科薬科大学特任教授である賀来満夫氏は「数字上は感染者数の鈍化傾向も見られる。今後(緊急事態宣言の)規制緩和に向け、基準が発表されると思う、それに準じた判断も必要となる」と話しながらも、「緩和された後でも選手の移動、宿泊という部分は制限される可能性も高い」「(開催されるにしても)まずは無観客という形になると思う」とその見解を述べた。
 
 これを受けて、村井チェアマンはJリーグ再開について「緊急事態宣言下では難しい。その後、無観客で試合を行なう場合でも、地域によっても違いもあります。また、選手の移動等のリスクも充分に考えていかなければならない。これまでも様々なシミュレーションを行なってきたが、一つの方法論として、無観客試合というのも、この段階では我々も考慮しなければいけないと思っています」とこれまでは「最後の手段」と公言していた無観客試合についても具体的な検討に入ることを明かした。

 専門家会議のメンバーで愛知医科大学教授の三鴨廣繁氏によると、「(Jリーグ、プロ野球ともに)本当にいろいろとご準備頂いている。医療関係者以上に非常によく準備して頂いている部分もある。球場、スタジアムの物的整備も本当にしっかりとされていて、現在でも準備状況は整っています」と対応を認める一方で、「あとは行政が許すか。世論の動きもある。地方自治体との折衝、あるいは日本のスポーツを監督するスポーツ庁、そういうところとのすり合わせも必要になる」と語る。

 現在はまだ再開日程が白紙ながら、再開に向けての具体策も着々と準備が進められている。

 次回の新型コロナウイルス対策連絡会議は、5月11日に開催される予定だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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