「あの瞬間、僕らは永遠になった」イニエスタが決めた10年前の“世界一弾”を元スペイン代表DFが激賞!

2020年04月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

“無敵艦隊”を史上初の世界一に導いたゴラッソ

自らの決勝弾でワールドカップを手にしたイニエスタ。そのゴラッソを当時のチームメイトが称えた。 (C) Getty Images

 今から10年前、スペインを初めて世界の頂点へ導いたのは、後に日本サッカー界を席巻することになる"巨星"アンドレス・イニエスタだった。

 2010年6月22日、オランダとの南アフリカ・ワールドカップ決勝で、スペインの中心メンバーだったイニエスタが魅せたのは、延長後半終了間際の109分だ。バイタルエリアでフリーとなったセスク・ファブレガスからのパスをペナルティーエリア内で絶妙なトラップでコントロールした背番号6は、右足一閃。相手守護神マールテン・スケテレンブルクの右手をはじく豪快なショットをゴール左下隅へねじ込んだのである。

"無敵艦隊"に史上初となる世界一の称号をもたらしたイニエスタ。その衝撃は、当時を知るメンバーの心に今も深く刻まれているようだ。決勝のピッチに立っていた元スペイン代表DFジョアン・カプデビラは、母国紙『Mundo Deportivo』の取材で、こう振り返っている。

「ワールドカップ優勝は選手として最高峰に辿り着いたことを意味するものだ。僕は最初に副審を見た。イニエスタがオフサイドかどうかを確かめるためにね。意外に冷静だったと思う。

 そして、ゴールだと分かった瞬間、彼を祝福しにコーナーへ狂ったようにみんなと駆け寄ったことを覚えているよ。あの時に僕らは永遠のチームになったんだ。ロスタイムを含めた残り時間を見て、シャビが僕に落ち着くように頼んできたことはよく覚えている。だけど、今考えてもそれは難しいことだったと思うね」
 

 アフリカの大地で偉大なる世界王者の一員となったカプデビラは、スペインが再びワールドチャンピオンになれるかを問われ、現代表にメッセージを送った。

「そこに辿り着くまでの道のりは簡単ではない。僕らは多くの批判を受けていた。国民からもね。再び成せるかどうかは誰にも分らない。結局のところ、一緒になって良い世代を生み出し、良いグループ作りをして、1か月間負けずに戦い抜けばいい。短期決戦では、失敗は許されないからね。2022年のカタール・ワールドカップでは何が起こるかは見てみよう」

 いぶし銀のプレーで"黄金世代"を陰から支えたカプデビラ。そんな名手の助言は、2度目の世界一を目指す後輩たちにいかに響くだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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