「新しいDFを獲得するぞと怒鳴られて…」元チェルシー主将テリー、恩師モウリーニョに激怒された過去を告白!

2020年04月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

「誰よりも4歩先を進んでいる感じだった」

モウリーニョ監督(右)とのやり取りを明かしたテリー(左)。(C) Getty Images

 元イングランド代表DFのジョン・テリーが、チェルシーでプレーしていた現役時代にスペシャル・ワンを"激怒"させた過去を告白した。

 テリーは現地時間4月13日、スヌーカー界のレジェンド、スティーブン・ヘンドリーとのインスタライブに登場。過去を振り返るなかで、ジョゼ・モウリーニョ(現トッテナム監督)とのあるやり取りを明かしたという。英紙『Daily Star』などが報じている。

 テリーは2004~07年9月、2013年6月~15年12月の二度にわたるモウリーニョ政権下で主将を務めた。厚い信頼関係を築いていたのは明らかだが、「僕だって激怒されたことがある」と語った。

「04-05年にリーグ優勝した後のことだ。僕とガリー・ケイヒルはプレシーズンの練習初日の前日、旅行から戻ってきた。案の定、パフォーマンスはひどいものだったよ。ボールは奪われるわ、守備もできないわで、とにかくめちゃくちゃだった」

 その様子を見たモウリーニョは怒り心頭。当時、不動のレギュラーだったふたりに詰め寄り、「これ以上ふざけたプレーを続けるなら、1億ポンドを費やしてよその新しいディフェンダーを獲得するぞ」と怒鳴りつけたという。

「それを聞いて、僕とガズ(ケイヒルの愛称)は奮い立った。全力で相手にぶつかり、練習でヒートアップした。そのうち全員のテンポが上がって、本気でぶつかり合うようになったんだ」
 
 だが、指揮官が振るったのはムチだけではない。トレーニング後、ふたりの肩に腕を回し、「素晴らしいシーズンのスタートが切れた。ありがとう」と称えたという。

「監督は常に、誰よりも4歩先を進んでいる感じだった。どんなに小さなことも見逃さないんだ。自宅に帰ってきたら、携帯に『今日のトレーニングは素晴らしかった。キャプテン、君についていくよ』と送られてきたこともある。すべてが、絶妙なタイミングなんだ」

 褒めたかと思えば、またドライな面も覗かせる。選手とは一定の距離を取っていたようだ。

「次の日に会うと、何も言わずに無視されるんだ(笑)。あれ、怒らせたかなと思って、彼に送った返信のメッセージを見直したこともあった。その日もトレーニング後に話しかけられて、『君のその謙虚さは美しいが、時にはワンプッシュも必要だぞ』って言われたな」

 ポルトガル名将の"人心掌握術"は、アメとムチが絶妙だったようだ。テリーは肩をすくめたこう続けたという。

「考えてみれば、彼にうまくノセられていたのかもね(笑)。ただ、本当に良い関係だったと思うよ。今でもリスペクトしている」

 モウリーニョはその後、インテル、レアル・マドリーの監督を歴任した後、13年夏にチェルシーへ戻ってきた。そして2014-15シーズンに5季ぶりのリーグ制覇をもたらしている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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