「先に手を出したのは…」ヴィエラとキーンの“トンネル事件”の真実を元マンU戦士が激白

2020年04月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

極限状態にあった緊張感が災いして…

当時のプレミアリーグを象徴する存在でもあったキーン(左)とヴィエラ(右)のマッチアップは多くのファンに愛された。 (C) Getty Images

 プレミアリーグを騒然とさせた「トンネル事件」の舞台裏が明らかにされた。証言者となったのは、元フランス代表DFのミカエル・シルベルトル。事件を起こしたマンチェスター・ユナイテッドとアーセナルの両クラブに在籍していた名手だ。

 2015年に引退して、現在は母国でコメンテーターとしても活躍しているシルベストルが、ユナイテッドのポッドキャスト番組『Talk Of The Devils』で明かしたのは、今から15年前に起きた大騒動についてだ。

 当時のアーセナルとユナイテッドは国内の覇権を激しく争っていたため、ライバル関係が激化。両雄の直接対決ともなれば、緊張感は極限状態にあった。

 そして2005年2月1日、アーセナルの本拠地ハイバリーで行なわれた一戦を前に事件は起きる。試合開始直前、両チームのキャプテンであるパトリック・ヴィエラ(アーセナル)とロイ・キーン(ユナイテッド)が互いを掴み合って、罵り合う"大騒動"を入場ゲートで起こしたのだ。

 グラハム・ポール主審やチームメイトたちが割って入ったことで、事態は収拾したものの、この出来事は、当時のライバル関係の激しさを象徴するエピソードとして広く知れ渡っている。
 
 この時、先発メンバーとしてユナイテッド側の列に並び、文字通りの目の前で事の経緯を見ていたシルベストルは、こう語っている。

「緊張感が凄まじかったよ。お互いに選手たちは何かを言い合っていた。そんななかで先に手を出したのは、ヴィエラだった。彼は周りのチームメイトたちにも聞こえるぐらいの大声でガリー・ネビルに言ったんだ。『おい! ネビル! ネビル! 今日は退場するなよ? 試合後に俺が相手になってやるからな』ってね」

 シルベストルによれば、これを聞きつけた"闘将"キーンは、すぐさまヴィエラに詰め寄ったという。

「キーンは偉大なキャプテンだった。彼は列の先頭にいたんだけど、すぐに後ろの方へやってきて、ヴィエラに言ったんだ。『俺のチームメイトをどうにかしたいなら、まず俺に言え。話はそれからだ』とね。それからの顛末はみんな知ってるでしょ」

 今のユナイテッドとアーセナルに当時のような強烈なライバル関係はなく、ヒートアップすることも少なくなった。だからこそ、あのトンネルで起きた"マッチアップ"は、語り継がれる事件となっているかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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