「今もトッテナムにいるのは我々のおかげ」ポチェティーノがソン・フンミンのアジア大会参戦の舞台裏を告白!

2020年03月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

兵役免除のために出場を求めたソン・フンミンに…

ソン・フンミン(左)を重用していたポチェティーノ(右)が“愛弟子”との秘話を明かした。 (C) Getty Images

 今から2年前、韓国代表のエースは、サッカー人生を懸けた大会に挑んでいた。

 当時、21か月間に及ぶ兵役義務が迫っていたソン・フンミンは、同年の8月に開催されたアジア大会での金メダル獲得、すなわち優勝が特例によってそれが免除されるラストチャンスだった。

 バックアップの意向を示した韓国サッカー協会と、シーズン開幕前の離脱に難色を示していた所属元のトッテナム・ホットスパーが協議を重ね、ついに出場許可を得たソン・フンミンは、若手主体の"タイガー軍団"を力強く牽引。母国を歓喜の優勝に導き、見事に「兵役免除」を勝ち取ったのである。

 本来ならば、FIFA公式大会日程に載っていないこのコンペティションは、代表チームの拘束義務がないため、トッテナムはソン・フンミンへの派遣要請を拒否することもできた。それでも、彼を送り出したのは、他ならぬ当時の指揮官マウリシオ・ポチェティーノの意向があったからだった。
 
 現地時間3月22日、ポチェティーノは英国のポッドキャスト番組『The High Performance』で、ソン・フンミンとの話し合いの舞台裏を明かした。

 アルゼンチン人指揮官は、トッテナムの上層部が、2年契約を締結したばかりで、かつ故障明けだったソン・フンミンを派遣することを嫌がっていたことを告白したうえで、「今も彼がトッテナムにいるのは私たちのおかげでもある」と語った。

「ソニーが今もトッテナムにいるのは、あの時にクラブとして招集に従う義務がなかった大会への出場を許可したからだ。我々が自己中心的に『ダメだ! ソニーはチームに残らなきゃいけない』と本人と韓国代表チームへ言わなかったおかげなんだ。

 全てはクラブや我々スタッフのおかげだ。もしそうしなかったら、ソン・フンミンとトッテナムの契約は満了となっていたかもしれない。私たちの決定があったから可能になったんだ」

 番組中には、「その時にはケインも怪我でいなかった。だからシーズンの最初は全く戦えなかった。でも、その話は誰もしていないね」と漏らしたポチェティーノ。長い目で見てチームにプラスになるよう、ソン・フンミンを気持ちよく送り出し、飛車角落ちの状態でもやり繰りして難局を乗り切ったのに……。結局、言いたかったのは昨年11月に解任されたことへの恨みつらみだった?

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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