競争激化の山形、若手台頭の予感…U-17日本代表主将を務めた逸材が強烈アピールで指揮官も高評価

2020年03月26日 嶋守生

本職とは異なるインサイドハーフで結果を出した18歳の半田。指揮官も高い評価

今年の1月1日に18歳の誕生日を迎えた半田。ポジションを掴めるか。(C) J.LEAGUE PHOTOS

 新型コロナウイルスの影響で延期中のJリーグ。どのチームも戦術の浸透に余念がないが、山形では石丸清隆新監督が掲げる「攻守でアグレッシブな」スタイルの構築だけでなく、主力組と若手世代による激しいポジション争いも目立っている。

 今年の山形のチーム編成は、右の主力だった柳貴博、坂元達裕が流出したものの、昨年プレーオフ2回戦まで勝ち進んだベースが残り、中村充孝、加藤大樹、ヴィニシウス・アラウージョなどの即戦力と、中堅から若手の選手を多く組み込んだ。
 指揮官こそ代わったが、順当なら昨年のメンバーがベースとなるはずで、実際にジュビロ磐田との開幕戦では渡邊凌磨と小野田将人を除く9人が昨年からの既存戦力だった。

 ところが中断期間中の練習試合を見ると、昨年までの主力組よりも若手中心のサブ組の方が結果を出していて、そのパフォーマンスも明らかに後者の方が良い。

 明暗が分かれたのは22日にグルージャ盛岡と45分×4本で行なわれた練習試合だ。昨年までの主力組が多かった1・2本目はビルドアップのパスミスが起点のカウンターと、セットプレーで2失点し、攻撃も噛み合わないまま0-2で敗戦した。
だが、メンバーを若手中心に入れ替えた3・4本目は、ボールを動かしながら圧倒し、スコア以上に決定機を量産して5-1で大逆転した。

 石丸監督は「ボールを持って後ろ後ろになっていくのが1・2本目。(3・4本目は)選択が前に向いていて、パワーを持って追い越していく姿勢があった。人が湧き出てくるような理想の感じ」と若手組の積極的な姿勢を絶賛する。

 プレーのミスは多かったが、少しでもスペースがあれば前に差し込んでいく姿勢や味方を追い越していくアクション、細かくギャップに顔を出して受ける回数など、石丸監督が選手に求めている積極的なプレーの回数の差は明らかで、そこには「アピールしてやろう」という貪欲な姿勢も感じられた。
 
 そんな3・4本目のメンバーでは、2ゴールの大卒FW高橋潤哉、右ウイングバックの末吉塁などの若手がゴールやアシストで結果を出したが、中でも「今日発見したことのひとつ」(石丸監督)と評価されたのが、インサイドハーフに入った18歳の半田陸だ。
 

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