「試合をしたから最悪の結果に…」アタランタ主将、CLバレンシア戦がコロナ感染拡大の引き金になったと指弾!

2020年03月24日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「誰も何が起きているか分かっていなかった」

CLバレンシア戦の開催を嘆いたゴメス。 (C) Getty Images

 新型コロナウイルスに苦しむイタリアの中で、大きな危機にある地域のひとつが、ミラノに近い北イタリアのベルガモだ。この街を拠点とするアタランタのアレハンドロ・ゴメスは、2月から3月にかけてチャンピオンズ・リーグ(CL)の試合をした影響を嘆いている。

 CLラウンド・オブ・16で、アタランタはバレンシアと対戦。現地時間2月19日にミラノのサン・シーロで第1レグ、3月10日にバレンシアで第2レグが行われた。2試合合計で8-4とアタランタが歴史的なベスト8進出を果たした。

 ゴメスは2月の時点でウイルスの脅威に気づいておらず、大勢の観客が集まったミラノでの試合が、ベルガモの街を「悲劇的」な状況にしてしまったと話す。そして、イタリアで深刻な問題となっていたものの、他国がその脅威に気づく前に行われたバレンシアでの試合も影響したと述べた。

 イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、ゴメスは母国アルゼンチンの『Ole』紙で「あの試合をしたのが最悪だった。当時はまだ感染例が多くなくて、誰も何が起きているか分かっていなかったんだ。感染や深刻さを分かっていなかった」と話している。

「バレンシアとの初戦のせいだと思う。サン・シーロには人口12万人のベルガモから4万5000人が来ていたんだ。普通は40分で行けるミラノなのに、妻は3時間もかけなければいけなかったほどだ。それに、バレンシアに着いた時も、みんなリラックスして、チェックがなかった。そのスペインが今では欧州で2番目に感染者が多い国になっている。

 僕らと対戦したバレンシアのスタメンのひとりも感染した。僕らの誰かに症状が出るかを待っているところだ。幸いにも今のところは誰にも出ていない。でも、あれらの試合をしたのは最悪だった」

 さらに、ゴメスは「(ベルガモは)悲劇的な状況だ。毎日多くの感染者が出て、すごく隔離を重視している。驚くのは、ほとんど路上に人がいないのに、まだイタリア全土で日々感染者がたくさんいることだ。病院はいっぱいで患者の場所がない。毎日起きるたびに悪い知らせがある」と嘆いた。

 イタリア衛星放送『Sky Sport』のインタビューでも、ゴメスは「サッカーのことを考えるのが難しい。今は一番興味のないことだ」とコメント。リーグ戦再開にも悲観的な見方を示し、ベルガモの街にエールを送っている。

「みんなでポジティブな姿勢を保たなければならない。ベルガモの人たちは強い。簡単に屈しない。必ずこの時期は終わる。がんばろう。このまま続けるんだ。君たちのおかげで、必ずここを抜け出せるはずだ。抱擁を」

 ベルガモの、イタリアの、そして世界の人々が、笑顔になれる日の到来を待ちわびている。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
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