「僕はクラブの許可を得た!」「息子は聡明だ」“自主隔離”を無視して非難を浴びたマドリーFWと父親が猛反論!

2020年03月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

帰国中の行動に政府も激怒

母国での振る舞いに非難が殺到したのが、ヨビッチだ。 (C) Getty Images

 レアル・マドリーのセルビア代表FWが、母国でバッシングを浴びている。

 周知の通り、世界中で新型コロナウイルスによる影響が拡大している。とりわけヨーロッパでは感染状況が深刻化しており、スペインではおよそ1万7000人の感染者を出し、すでに死者は700名を超えていると報じられている。

 ラ・リーガの公式戦が2部も含めて延期となるなか、各クラブはチームの活動を停止したり、選手にオフを与えたり、あるいは自宅待機を命じたりと、刻一刻と変化する状況を見ての対応に追われている。

 そうしたなかで、"失態"を犯してしまったのが、マドリーのルカ・ヨビッチだ。スペイン紙『Marca』によれば、22歳のセルビア代表FWは、スペインからセルビアに帰国後、28日間の"自主隔離"命令が出ていたにもかかわらず、ガールフレンドの誕生日パーティーのために首都ベオグラードの繁華街へと繰り出してしまったのだというのだ。

 これが世間に広まるとヨビッチへの風当たりは一気に強まり、セルビアのアナ・ブルナビッチ首相からも「身勝手なスター選手たちの命より一般人の何百万人の命の方がはるかに大事だ。元の場所(マドリード)に戻ってもらうかもしれない」と"追放"を示唆される事態となった。

 しかし、本人は一連の報道への反論を口にした。自身のインスタグラムを更新したヨビッチは、「自分のことが大々的に取り上げられてしまい、残念に思っている。今はこの危機と戦う医者や医療従事者のことを取り上げてほしい」と訴えたうえで、自らが「陰性」で、マドリーから許可を得たうえで、帰国していたことなどを主張した。

「僕がマドリードで受けたテストでは陰性だった。そして、クラブの許可を得て家族のいるセルビアに帰り、ここで支援したいと思っただけだ。セルビアに戻ってから受けたテストでも陰性だったよ。

 僕は一部の人間が専門的な仕事をせず、僕の行動について、しっかりとした情報を記していないことを残念に思う。もしも、誰かを危険に晒したなら謝罪する。けど、セルビアでは薬局に薬を買いに行くこともできないんだよ。それでも自分は寄り添い、共にこの危機を乗り越えたいと思う」

 さらにヨビッチの父ミランも、セルビア紙『Novosti』で息子を擁護している。

「人々がどうかどう考えているかは知らないが、私の息子は課せられた規則を守っていたと保証できる。必要な食事を買いにいくためにスーパーマーケットへ出かけた以外に家を出てはいない。許可も得ていると聞いた。彼と一緒にいたという女性については知っているし、私の息子は嘘をついてはいない。

 息子はしっかりとした教育を受けた聡明な青年だ。メディアが書き立てるイメージは、現実的なものではない。それはまるで彼が誰かを殺したかのようだ。

 私は政府の採る全ての措置を支持する。違反した者は罰せられるべきだ。しかし、繰り返すが、私の息子はルールを破っていないし、全ての決定を尊重している。もしも、彼を見たという人間がいるなら、それは許可を得たうえでの行動だ」

 世間からの非難に対して、猛反論を口にしたヨビッチ親子。果たして、彼らの証言は、「逮捕も辞さない」と強硬姿勢を取る政府に届くのか。今後の動静が注目される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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