「命を懸けるな」「パブに集まるだけ」ついにプレミアリーグも無観客試合決行へ? ファンの間で大論争が勃発!ご意見番ネビルは…

2020年03月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

英国政府が週末に「無観客試合」を要請か

首位を独走するリバプールのファンにとっても気が気ではない事態となった。 (C) Getty Images

 新型コロナウイルスは欧州でも猛威を振るっている。イタリアでは4月3日までのすべてのスポーツイベントを中止にすることが決定。フランスやスペイン、ドイツでも感染者が激増し、各国リーグやチャンピオンズ・リーグの運営に影響を及ぼしている。

 デンマークの保健省は「ハグや握手、挨拶でさえ感染リスクがあるので避けるべき。大勢が集まるスポーツイベントは言うまでもない」と発表するなど、もはや誰にとっても無視できない問題となっている。

 英国政府は当初、サッカーのような屋外のスポーツイベントでの感染リスクについて、「イベントをキャンセルするための医学的根拠がない」とし、プレミアリーグには制限は設けないとの方針を明らかにしていた。だが、先週末から状況が一変。ロンドンの61人をはじめ、すでに感染者は319人を超え、5人の死者を出す事態となっている(9日付け『The Guardian』より)。

 英公共放送『BBC』によれば、事態を重く見た政府は方針を切り替え、すでに今週末の試合に関しては、無観客で行なうよう要請を出したようだ。

 すでに、プレミアリーグは試合前後の握手を禁止しており、チームよってはファンとの接触を禁止するなどの対策を設けている。各クラブへ入念な衛生指導も行われているなか、ついに無観客試合という決断に至るのだろうか。

 この一報について、現地のサポーターは大論争を繰り広げている。『The Guardian』の該当記事には600件以上のコメントが飛び交い、賛否両論真っ二つに割れている。

 賛成派からは、「正直、出遅れた。対策が遅すぎる」「今すぐ中止にすべきだ」「これ以上の拡大を止めるにはやるしかない」「たった約3万人検査を受けただけで300人以上が感染が判明した。フットボールに命を懸けるな」といった意見が寄せられた。

 一方、反対派は、「ロンドンの地下鉄に乗るよりは、屋外のスタジアムの方が安全だろ」「ただ試合をストップするだけなら、サポーターは密室のパブに集結するだけ。なお悪い」「バカなことを。そんなことをしたら暴動が起きるぞ」と訴えている。

 ちなみに、英衛星放送『Sky Sports』のご意見番、ガリー・ネビルも反対派のひとりだ。

「私は賛成できない。観客を呼べない試合を行なうのであれば、運営側はシーズンそのものを延期すべきである。安全に試合を開催する方法を探し、クラブが"生き残る"ために必要な収入を確保できる状況で開催すべきだ」

 無観客試合を行なう場合は無料でネット中継を提供し、パブなどでの放映は中止するなどの案も浮上しているようだ。だが、状況は刻一刻と変化している。市中ではマスク着用者が激増し、スーパーの店頭から食料や缶詰などが消えるという"プチパニック"も起きているという。

 果たして、英国政府やプレミアリーグはどのような判断を下すのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事