「Jリーグの再開、プロ野球の開幕は延長することが望ましい」第2回対策連絡会議で専門家が提言

2020年03月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

今後各チームと情報を共有し、協議を行なう

無観客試合は極力行なわない方針だと語る村井満チェアマン。(C)SOCCER DIGEST

 3月9日、JリーグとNPB(日本野球機構)共同で行なっている、第2回「新型コロナウイルス対策連絡会議」が都内で開催された。

 専門家チームの3名(賀来満夫氏、三鴨廣繁氏、舘田一博氏)と、NPBの斉藤惇会長(日本プロ野球組織コミッショナー)、Jリーグの村井満チェアマンが揃って開いた会見冒頭では、「Jリーグの再開、プロ野球の開幕は延長することが望ましい」との答申を得たことを報告した。

 専門家チームの賀来満夫氏は、「現在の段階で、新型ウイルスの感染者がさらに増加している状況」であることを考慮し、「抑制の見通しは立っていない。学校の休校、中国、韓国からの入国制限など様々な対策が取られている状況」「現段階でこれらの対策を評価するのは難しく、3月15日の段階、3月末の時点での状況を見なければならない」と説明。

 三鴨廣繁氏は、「国民的な2大スポーツ。中止を勧告するのは専門家としても簡単。どうすれば安全に開催できるかというのを検討してきた。選手さらにその家族を守るためにも、教育・啓発活動をとっていただきたいという意味を込めて、開催には時間が必要だ」と語る。

 舘田一博氏からは、「開催に向けては準備の期間が必要。(新型コロナウイルスは)インフルエンザのように、温かくなったからといって、劇的に無くなるものではない。3ヵ月、1年、というスパンで考えていく必要がある」という意見も出た。
 
 実際にスタジアムに足を運ぶ場合は、マスク着用を徹底させ、客席やトイレなどの消毒を徹底。また、発熱のある観客にはスタジアムに入らせないなどの対応も必要となってくる。

 村井満チェアマンは、「今回は医学的な見地から実施が適当でないというアドバイスをいただいた。実際に開催する場合は、ファン・サポーターの方々にもご協力を頂く場合もある。観戦スタイルやマスク等の準備、体温の自己申告など、そういった自助努力、自己責任をお客様に求めるのであれば、我々としても万全の用意をする必要がある」

 また、席割で満席にさせない、または無観客試合等の対応も必要になる場合も生じる可能性がある。

「サッカーという競技の特性上、無観客というのは、極力行ないたくない。ただ、政府の方で、特措法が13日にも法案化される可能性がある。緊急事態宣言が発令された地域ではお客様を入れた試合ができない場合もある。頂いた助言を参考にしながら、決めていきたい」と語る。

 Jリーグ、プロ野球ともに、この会議の結果を受け、今後各チームと情報を共有し、リーグ再開・開幕に向けた協議を行なうという。

 これまで、Jリーグは2月26日から3月15日に予定されていた公式戦の94試合の延期を決定。NPBもオープン戦の無観客開催を決めていた。

 具体的な決定は今後行なわれるものの、中断期間が延期される可能性が高まった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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