【セルジオ越後の天国と地獄】もっとゴールを決めておきたかった

2015年01月16日 サッカーダイジェスト編集部

引いた相手にわずか1点では……。

本田は決定機をことごとく外して、PKでの1点のみに終わった。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 高温多湿の厳しいコンディションのなか、日本は立ち上がりから素早くボールを回してリズムを作ることができていた。その流れのなかから、本田のPKで幸先良くリードを奪うことができたけど、本田にとって今日はツイていなかったね。チャンスはかなりあったけど、決定的なシュートはことごとくバーやポストに嫌われてしまった。

【マッチレポート|日本 1-0 イラク】

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 本田だけでなく、岡崎や乾、香川にしても、惜しい場面はあったけど、決め切ることができなかった。前半は特に押し込む時間帯があったけど、これはイラクがかなり引いていたからだと思うよ。彼らの戦いぶりを見る限り、勝てば最高、引き分けでもOK、負けても0-1で御の字、という感じだった。失点した後も、もちろん同点にはしたいんだろうけど、ディフェンシブでカウンター狙いの戦い方だった。
 
 なぜかというと、イラクの最終戦はパレスチナだから。確実に勝点3が計算できて、上手くいけば大量得点も見込める相手だ。すでにイラクは初戦でヨルダンに勝っているから、パレスチナに勝てば2勝で勝点6。日本に負けたとしても、十分にグループリーグを突破できる可能性があると踏んでいたんだろうね。
 
 日本にとっては、2連勝して勝点6、グループ首位をキープしたけど、そこまで有利な状況に立っているわけではない。ヨルダンとの最終戦に負けて、イラクが予想どおりパレスチナに勝てば、勝点6で3チームが並んで、得失点差の争いになる。そうなると、2位になるかもしれないし、最悪はグループリーグ敗退だ。
 
 日本対イラクの同じ日に、ヨルダンはパレスチナに5-1で勝利したよね。それだけに、アンラッキーな部分はあったにせよ、イラク戦はもっと得点を決めておきたかった。
 
 不安要素はまだある。すでに述べたように、気温の高いなかでのゲームで、1-0というギリギリのスコアで推移していたこともあって、体力はかなり消耗したはず。最終戦に向けて、コンディション面でダメージは少なからずあると思うよ。
 
 最終戦に向けて、決勝トーナメント進出に望みをつないだヨルダンはかなり激しく来るだろう。メンバー構成も含めて準備しておきたいけど、パレスチナ戦に続き、途中出場の選手はパッとしなかった。守備的な今野は別にしても、清武は今ひとつで、武藤もあの時間からでは大した仕事ができなかった。
 
 過去の対戦を見ても、日本はヨルダンに苦戦することが少なくない。イラク対ヨルダンの試合を観たけど、負けたヨルダンのほうが良いサッカーをしていた印象がある。決して侮れない相手に対し、コンディション面とバックアッパーの不安が拭えないだけに、現時点ではグループ1位にいるけど、安心はできないね。
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