したたかなマンUがまたも“隣人”を撃破! マンCはダービーで10年ぶりのシーズンダブルを許す失態

2020年03月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

堅守速攻のスタンスを貫いたユナイテッド

味方の機転の利いたパスに反応してゴラッソをねじ込んだマルシアル。このフランス代表の一撃が全てを決めた。 (C) Getty Images

 現地時間12月7日、プレミアリーグ第16節が行なわれ、5位のマンチェスター・ユナイテッドの本拠地オールド・トラフォードに2位のマンチェスター・シティが乗り込んでの"マンチェスター・ダービー"が行なわれた。

 ともに首位リバプールに大きく水をあけられたなかで開催された通算182度目のダービー。その序盤の主導権を握ったのは、アウェーチームだった。

 立ち上がりから臆せずに小気味いいパスを繋げて攻勢を強めたシティは、積極的にくさびを通してチャンスを創出。11分には左サイドからエリア内に持ちこんだスターリングが惜しいミドルシュートを放ったが、これは相手守護神デ・ヘアの好守に阻まれた。

 冷や汗をかいたユナイテッドだったが、2-1で勝利した昨年12月の対戦時と同様の3-5-2システムを用いた堅守速攻のスタイルでシティを脅かす。17分にはジョーンズが、27分にはマルシアルが、それぞれ激しいフォアチェックからのショートカウンターで決定機を創出した。

 ダービーらしいヒリヒリとした緊張感が漂った試合の均衡を破ったのは、ユナイテッドだった。

 30分、ゴール前30メートルほどの位置でのFKからクイックリスタートしたB・フェルナンデスが、相手の意表を突くロブパスをゴール前に供給。これに反応したマルシアルがダイレクトボレーでニアを射抜いた。

 あっさりと先手を取られたシティは、俄然勢いが増したユナイテッドのアグレッシブなプレスを前に思うようにボールを繋げなくなって苦戦。眼前に立ちはだかる赤き堅牢を崩せずにシュート1本に抑え込まれ、ゴールを奪えずに0-1で前半を終えた。

 迎えた後半、開始早々からシティが積極的に前へ出ると、47分にゲームの行方を左右するジャッジが下される。スターリングのスルーパスに抜け出したアグエロがゴールネットを射抜いたのだが、直後のVAR判定の結果、わずかにアルゼンチン代表FWの足が出ていたためにオフサイド判定となって取り消されたのだ。

 この日最大の決定機を逸したシティは、58分にマハレズとG・ジェズスを同時に投入。より攻勢を強めて、相手の堅牢を打破する術を模索する。

 一方、前半の立ち上がりのように押し込まれたユナイテッドだったが、堅守速攻のスタンスを変えずに応戦。相手にボールを持たせつつ、機を見ては鋭いカウンターを炸裂。63分にはジェームズとマルシアルのコンビネーションからチャンスシーンを創り出した。

 時間の経過とともに、「攻める」シティと「守る」ユナイテッドの構図がより明確になる。そのなかで前者はショートとミドルのパスを織り交ぜながら同点を狙い続けたが、押し込まれながらも、高い集中力を保った後者の分厚い守備ブロックを打ち崩せない。

 残り時間が10分を切ったところで、シティが一方的に攻め込む展開となったものの、ユナイテッドが後半アディショナルタイム5分に、相手GKエデルソンのパスをカットしたマクトミネイがロングシュートを決め、結局、2-0で快哉を叫んだ。

 圧倒的にポゼッションをしながらも、VAR判定で取り消されたシーン以外でゴールネットを揺らせなかったシティは、"隣人"に09-10シーズン以来となる屈辱のシーズンダブルを献上した。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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