「アタランタがCLに出るのは正しいのか?」ユベントス会長の“問題発言”が物議を醸す! その論拠とは?

2020年03月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

「アタランタに大きな敬意を払っている」としながらも…

ユーベの経営を支えるカリスマを持つアニェッリだが、その発言が大きな問題となっている。 (C) Getty Images

 ユベントスのアンドレア・アニェッリ会長は、以前から「スーパーリーグ構想」を抱いている欧州クラブ協会(ECA)の会長も務めている。

 そのアニェッリが3月5日(現地時間)、ロンドンでのイベントでチャンピオンズ・リーグ(CL)出場権に言及した。イタリア紙『Tuttosport』によると、同紙は「大国のクラブというだけで自動的にCL出場権を得られることは議論できる」と述べている。

「私は今のアタランタがしていることに大きな敬意を払っている。だが、国際的な歴史がないクラブが、ひとつの素晴らしいパフォーマンスで、クラブレベルで欧州最高の大会に出場できる権利を得られたんだ。それは正しいことなのだろうか?」

 さらにアニェッリは、「そしてローマのことを考える。近年、イタリアのランキング維持に貢献してきたクラブだ」と、母国のライバルを例に出して問題提起を続けた。

「そのローマはひとつの悪いシーズンで(CLから)外れ、財政面でも影響がある。投資やコストを守る必要もあるはずだ」
 

 では、アタランタのようにCLでの歴史がなかったクラブの出場可能性を小さくすべきということだろうか。アニェッリは「私に答えはない」としている。

「CLベスト4まで勝ち進んだチームや、国内のリーグやカップ戦を制覇したチーム、そしてカントリーランキングのおかげで出場権を得られるチームもある。問題は、バランスだ。欧州サッカーにおける貢献に、そして1シーズンのパフォーマンスに、それぞれどれだけの重みがあるのか」

 例えば、昨シーズンのエールディビジを制覇し、CLでベスト4と躍進したオランダの名門アヤックスが、カントリーランキングのために予選からの出場を余儀なくされたことは議論を呼んだ。また、CL出場を逃せば大幅な収入ダウンとなる。その中でファイナンシャルフェアプレーを気にしながらチーム編成をする難しさから、「CL復帰」を果たせないクラブもある。

 ただもちろん、アタランタは不当にCLへのチケットを手にしたわけではない。今大会も決勝トーナメント進出を果たしたばかりか、ベスト8進出にも近づき、その実力を見せつけている。「歴史がない」というだけで、そういったクラブの出場可能性を狭めることへの批判も少なくない。

 今回のアニェッリの発言は、欧州サッカーのシステムを巡る議論を再び巻き起こすことになりそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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