ノルウェー１部リーグの名門ブロンビーは現地木曜日、新型コロナウイルスに感染した恐れのある13名を隔離したと発表した。期間は14日間で、選手のほか、コーチ、チームスタッフらが含まれている。

　英公共放送『BBC』によると、元デンマーク代表MFのトーマス・カーレンベリ氏が先週末にオランダで感染したのち、日曜日に古巣であるブロンビーのホームスタジアムに足を運んだという。そこで試合後、かつての僚友やスタッフと握手などを交わして旧交を温めた。さらに対戦相手であるリングビーの３選手とも接触しており、彼らも現在、クラブ内の施設で隔離されているようだ。

　カーレンベリはブロンビー、オセール、ヴォルフスブルクなどで活躍した攻撃的MFで、デンマーク代表としても47試合・５得点のスタープレーヤー。2016－17シーズンいっぱいで現役を退き、36歳となった現在はオランダやノルウェー、ドイツなどでテレビ解説者を務めている。日曜日のブロンビー対リングビー戦はテレビ中継の仕事はなく、関係者として試合を観戦していた。

　事態はオランダにも飛び火する。カーレンベリはアムステルダムを訪れ、同胞で友人のクリスティアン・ポウルセン氏と食事を共にしていたからだ。ポウルセン氏は現在アヤックスでアシスタントコーチを務めており、彼も他のクラブスタッフ２名とともに隔離されたとオランダ地元紙『De Telegraaf』が伝えている。

『BBC Radio5』の電話取材を受けたブロンビーのディレクター、クリスティアン・シュルツ氏は「カーレンベリはこんな騒動を巻き起こしてしまい、本当に、本当に申し訳ないと平謝りだった。彼自身の健康状態は深刻ではないようだ」と答えている。

　知らないうちにウイルスに感染し、長距離移動を重ねて脅威を拡散してしまったカーレンベリ。ブロンビー、リングビー、アヤックスはさらなる感染を封じ込められるか。動向が注視される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部