「EURO2020開催の見直しを…」新型コロナ拡大中のイタリアで選手協会会長が警告

2020年03月06日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

セリエAはスケジュールのさらなる混乱も。

このC・ロナウドやデリフトをはじめ、セリエAにはEURO出場予定選手が少なくない。(C)Getty Images

 世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスは、サッカー界にも大きな影を落としている。
 
 すでに感染者が3500人を超えるなどヨーロッパでもっとも深刻化しているイタリアでは、セリエAの25節と26節の約半数が延期に。さらに現地時間3月4日には、イタリア政府が4月3日まで全スポーツイベントを無観客で開催するように命じた。
 
 今週末と来週末にはその延期分が無観客で行われる予定だが、感染拡大次第では再び延期される可能性が消えたわけではない。さらに欧州カップ戦(CLとEL)、さらにはコッパ・イタリアもまだ残っているだけに、スケジュールの大幅な見直しを余儀なくされている。今シーズンのセリエAは5月24日で終了予定だったが、はたしてそれが叶うのか。不透明と言わざるをえない状況だ。
 
 その影響をモロに受けそうなのが、6月12日に開幕予定のEURO2020だ。イタリア代表の主力の大半はもちろん、ポルトガル代表のクリスチアーノ・ロナウド(ユベントス)、オランダ代表のマタイス・デリフト(ユベントス)、クロアチア代表のアンテ・レビッチ(ミラン)、ベルギー代表のロメル・ルカク(インテル)など、欧州各国代表にセリエAプレーヤーは少なくない。
 
 さらに、今大会はいわゆるホストカントリーがなく、ヨーロッパ全土で開催するという特別なルールだが、イタリアではローマも開催地の一つになっている。
 
 元イタリア代表MFで、現在はイタリア選手協会会長を務めるダミアーノ・トンマージは、『ANSA通信社』のインタビューでこう警告した。
 
「UEFAはEURO2020の開催時期を再考すべきだと思う。まずは各国リーグを完結しなければいけない。コロナウイルスの問題は、イタリアだけのものではない。セリエAは無観客で行なう予定だが、この決定に疑念を抱いている選手もいる。最大限の予防措置を講じるが、ピッチで選手たちは大きなリスクに晒される。1人の選手がコロナウイルスにかかれば、チーム全員を検査する必要も出てくる」
 
 今後のセリエAでは、試合前にウイルス検査を行ない、さらに握手やペットボトル共有、タオル共有、ロッカールームでの食事などが禁止される予定だが、ゲーム中は身体の接触が避けがたい。選手から感染者が出ないとはまったく言い切れないし、そうなればセリエAは再び延期などの措置が取られるかもしれない。
 
 仮にそれが現実となれば、トンマージの主張通りUEFAは、EURO2020の開催時期を再考する必要性に迫られるかもしれない。
 
構成:ワールドサッカーダイジェスト編集部
 
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