「一生懸命にやったが…」“モウ”こりごり!? PK戦におけるモウリーニョの驚きの戦績が――

2020年03月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

自らのクビに繋がったことも

ノーリッジとのPK戦をベンチに座り込んだまま、眺めもしなかったモウリーニョ。それほどまでに彼は“決戦”をトラウマにしている。 (C) Getty Images

 現地時間3月4日に行なわれたFAカップ5回戦で、本拠地にノーリッジを迎えたトッテナム・ホットスパーはPK戦(2-3)の末に敗れ、敗退が決定した。

 開始13分にセットプレーからヤン・ヴェルトンゲンのヘッドで先制したトッテナムだったが、78分にGKミシェル・フォルムがファンブルしたボールをヨシプ・ドゥルミッチに詰められて同点に。

 そして、延長戦でも決着がつかずに迎えたPK戦。トッテナムはエリック・ラメラとトロイ・パロットが外して迎えた5人目は、キックには定評のあるジェジソン・フェルナンデスだったが、ゴール右へと蹴ったシュートを相手守護神ティム・クルルが完璧にセーブ。あえなく敗退が決定した。

 このPK戦の際、トッテナムのベンチでは意外な光景が見られた。通常ベンチ前にチームスタッフたちと共に立って戦いの行方を見守っているはずの指揮官がおらず。ジョゼ・モウリーニョはベンチに座り込んでいたのだ。

 稀代のカリスマ指揮官がナーバスになるのも無理はない。モウリーニョは、2004年にチェルシーを率いてイングランドでの監督生活を始めて以来、公式戦で経験した7度のPK戦で全敗しているのである。
 
 以下がその戦績だ。

2005年10月 チャールトン(リーグカップ3回戦)=4-5
2007年5月 リバプール(チャンピオンズ・リーグ準決勝第2レグ)=1-4
2007年8月 マンチェスター・ユナイテッド(コミュニティーシールド)=0-3
2013年8月 バイエルン(UEFAスーパーカップ)=4-5
2015年10月 ストーク(リーグカップ4回戦)=4-5
2018年9月 ダービー(リーグカップ3回戦)=7-8
2020年3月ノーリッジ(FAカップ5回戦)=2-3

 なんとも散々たる結果だ。とくにマンチェスター・ユナイテッドを率いていた2年前に愛弟子フランク・ランパードが指揮していたダービーに敗れた一戦は、その手腕を問われるキッカケともなり、同年12月に解任の憂き目にあっている。

 ノーリッジ戦後のモウリーニョは、「選手たちはよくやってくれたが、本当に悲しい結果だ。一生懸命にやったが、また負けた」と声を絞った。かつて自らを"スペシャル・ワン"と名乗ったほどの自信家として知られる名将もPK戦は、もうこりごりなのかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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