攻撃自慢の川崎で目を引く守備のキーマン。スタジアムをどよめかせるジェジエウのインパクト

2020年02月23日 本田健介(サッカーダイジェスト)

攻撃サッカーを最終ラインから支える

圧巻のスピードを誇るジェジエウ。CBとして川崎の攻撃サッカーを後方支援する。(C)SOCCER DIGEST

[J1第1節]川崎0-0鳥栖/2月22日/等々力

 リーグ開幕戦で鳥栖と対戦した川崎は、主導権を握りながらスコアレスで引き分けた。

 後半早々にはL・ダミアンがネットを揺らすも、VAR判定でゴールを取り消されるなど、1点が奪えず。ただ今季から導入した攻撃的システム4-3-3の効果は徐々に出ており、シュート19本を放ち、長い時間、相手を押し込むなど、優位に試合を展開した。選手たちもチャンスを作れた点に関してはポジティブに捉え、次戦へと目を向ける。

 もっとも川崎と言えば攻撃面がクローズアップされがちだが、より前がかりになるシーンが多い今季の戦い方で、目を見張るプレーを見せているDFがいる。

 それがキャプテンの谷口彰悟とCBを組むジェジエウである。昨季、加入したブラジル人助っ人はデビュー戦となった10節の仙台戦で圧巻のフィジカルとスピードを見せ付けて、サポーターのハートをすぐさま掴んでみせたが、その後は怪我もあり、尻すぼみのシーズンを送ってしまった。しかし、今季はキャンプから元気な姿を見せ、レギュラーポジションを確保。

 前からのプレスをベースとする新シーズンの戦い方では、後方に広大なスペースが空きやすく、相手にカウンターを狙われるリスクは高い。ただし、反撃を受けた際に光るのがジェジエウのスピードを活かしたカバーリングで、ピンチの芽を事前に刈り取ってくれるのだ。
 鳥栖戦では細かなミスも見られたが、相手とのスピード勝負では負けず、そのスケールの大きなプレーにはスタンドから大きな歓声が寄せられた。そうした期待に対してはやや恥ずかしそうに、しかし確かな口調でこう語る。

「今年はしっかりコンパクトな陣形を保って、カバーの距離を短くしなくてはいけません。そして今年のシステム、やり方では、常に集中して、カバーリングの意識を強く持っています。その点では自分のスピードを有効活用したいです。

(スピードは)自分の特長と捉えています。そして常に自分ができることを精一杯やっていきたいです。相手を抑え、サポータの皆さんに喜んでもらいたいです」

 ふと思い返せば、昨季リーグ優勝した横浜には、ずば抜けたスプリント能力を誇り、ハイラインサッカーを支えたCBチアゴ・マルチンスがおり、戴冠の立役者と称賛された。

 今季の川崎も横浜のように"超攻撃サッカー"を展開しそうだが、そのなかでジェジエウがこなす働きは相当に大きなものになるだろう。新シーズンの川崎は攻撃陣もそうだが、このCBに注目して観て見るのも面白いだろう。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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