「身体の一部が並んでいれば反則にならない」名将ヴェンゲルがオフサイドの改訂を提言。今年6月に導入の可能性も…

2020年02月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ミリ単位のこと話さなくて済む」

サッカー界の酸いも甘いも見えてきたヴェンゲルが斬新なルール案を打ち出した。 (C) Getty Images

 現代サッカー界の重鎮が、興味深い考えを明らかにした。

 現地時間2月18日、元アーセナルの指揮官アーセン・ヴェンゲルが、オフサイドルールの改訂を訴えた。英公共放送『BBC』など複数メディアが伝えている。

 1925年に見直しがされて以来、選手の頭、胴体、足が一部でも最後のDFより相手ゴール側に出ていれば反則を取られるようになった現行のオフサイドルール。しかし、部位が飛び出していたかが、際どいジャッジが物議を醸すことは少なくない。

 ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が本格的に取り入れられるようになったここ数年も、オフサイドが議論の対象となり、元オランダ代表FWマルコ・ファン・バステンは、「オフサイドは廃止しても良い」と訴えていたほどだ。

 そんなオフサイドのルール改訂についてヴェンゲルが口にしたのは、何とも斬新な意見だ。『BBC』によれば、現在、競技規則などを定める国際サッカー評議会(IFAB)のサッカー諮問委員の一人となっているフランスの名将は、次のように語ったという。

「ゴールを決められる身体の一部(頭、胴体、足)のどこかが、最終ラインのDFと並んでいれば、他の部分が出ていてもオフサイドにならない、というのを推奨したいと思っている。これで物事が整理されれば、皆が『鼻先が出ていた!』と論議しなくて済むし、ミリ単位のことを話さなくて済む」

 サッカーの在り方を大きく覆しかねないルールをヴェンゲルは、本気で突き通す考えだ。英紙『The Sun』は、今月29日にベルファストで開かれるIFABの評議会での議題に提案すると伝えた。

 ヴェンゲルが関係を深めているFIFAが8枠の投票権のうち4枠を締めている同評議会で、仮にオフサイドの改訂案が4分の3の票を得た場合、6月1日から施行され、今年6月12日から開催されるEURO2020から本格導入の運びとなるという。

 果たして、ヴェンゲルの推奨するオフサイドの新ルールは、本格導入されるのか。IFABの評議会での投票の行方に注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

次ページ【動画】ジルーのゴールが取り消しに。チェルシーvsマンU戦のオフサイドシーンはこちら

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事