「一瞬、当て逃げかと…」追突事故を起こしたジダン監督。当事者を驚かせた名手の“緊急対応力”

2020年02月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

事故直後にセルフィーで2ショットも

追突事故を起こしてしまったジダン監督。なにか考え事をしていた!? (C)Getty Images

 生ける伝説、ジネディーヌ・ジダンが追突事故を起こした。事故に巻き込まれたイグナシオ・フェルナンデスさんが、スペインの地方紙『La Voz de Galicia』でその一部始終を明かしている。

 それは現地土曜日、マドリード郊外での出来事だったという。フェルナンデスさんがラウンドアバウト(環状交差点)の前でブレーキを踏むと、後方からズドンという衝撃。後続車に追突されてしまった。以下は当人の回顧録だ。

「朝の9時半くらいだったかな。自分のブレーキもちょっと急だったのはあるんだけど、あー、やられちゃったなと。僕が停車すると、そのクルマは速度を上げて追い越していくんだ。一瞬、『あ、当て逃げされた!』と感じて慌てたんだけど、少し先に停めて降りてきた。すぐに気づいたよ。ドライバーがあのジダンだってね!」

 家具店を経営する44歳のビジネスマンは、その顔を見てホッとしたという。

「だってそうじゃないか。ジダンであるということが、なによりの保険さ。どんなやりとりになっても(補償の)お金の心配だけはしなくていいんだから。僕は急にブレーキをかけてすまないと言ったら、彼も『気を逸らしてしまった。申し訳ない』と謝ってくれたんだ」

 その後、フェルナンデスさんは事が大きくなることを危惧し、レアル・マドリー監督に警察や保険会社への報告などの手続きはこちらでやると申し出た。互いに連絡先を交換し、双方のクルマの損傷状況も写真に収めたという。

 ジダンのクルマはアウディ『RS6』で、フェルナンデスさんのクルマはアウディ『Q4』。ジダン車の損傷のほうが激しかったため、フェルナンデスさんは「なんならしばらくは僕のクルマと取り換えてもらってもいいですよ」と提案したが、丁重に辞退された。最後にセルフィーをお願いすると、帽子をとってニッコリと笑ってくれたという。フェルナンデスさんは興奮気味に振り返る。

「友人に証明するためさ。俺はジダンと会話したんだぜって。本当に細くて背が高かったな。驚いたのは、彼のマナーの素晴らしさ。一貫して心がこもっていて、僕に対する気配りがあったよ。そして数時間後にジダンの関係者から連絡があって、『彼は練習場に行く途上で急いでいたようです。紳士的な対応をしてもらって感謝していました』と言ってもらったんだ」

 
 ではなぜ、欧州中のメディアがこのネタを取り上げるまでに至ったのか。

「セルフィーを送った友人がほかの友人に送り、グループ送信したりであっという間に拡散してしまったんだ……」

 フェルナンデスさんの意図せぬ展開だったとはいえ、なんともトホホなオチである。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【PHOTO】ジダンが追突事故! クラッシュ直後のふたつのアウディと、被害ドライバーとの満面笑み2ショットはこちら!
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