「幽霊」「批評家たちの文句に苦労…」批判に晒される酒井宏樹の現状をマルセイユ地元紙が分析

2020年02月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

指揮官のポゼッション・サッカーに馴染みきれず…

マルセイユで苦戦を強いられている酒井宏樹を地元紙が分析した。 (C) Getty Images

 フランス挑戦4年目を迎えたサムライ戦士が、厳しい時を送っている。リーグ・アンのマルセイユに所属する日本代表DFの酒井宏樹だ。

 今シーズンのマルセイユは開幕から好調を維持。リーグ・アンでは絶対王者のパリ・サンジェルマンにこそ勝点12差と大きく水をあけられているものの、来シーズンのチャンピオンズ・リーグ(CL)出場権内の2位の座は保っている。

 その裏で悪戦苦闘の日々を送っているのが、酒井である。今シーズンは公式戦22試合に出場しているが、アンドレ・ヴィラス・ボアス監督が標榜しているポゼッション・サッカーに馴染みきれずに、不安定なパフォーマンスに終始。一部メディアからはバッシングを受けている。

 そうしたなかで、酒井を「幽霊」と厳しく評したのは、地元紙『La Provence』だ。日本代表DFと同じく出場機会を失っているケビン・ストロートマンとともに特集を組んだ同紙は、「彼らは名誉あるスタメンの座を失った」と綴り、こう続けた。

「彼らは真のプロフェッショナルで、仲間たちに感銘を与え、模範的な態度を見せている。しかし、年始以降、彼らは時を同じくして、名誉あるスタメンの座と己の素晴らしさを失った。これまで日本人はそこまで不安定さはなかったものの、ストロートマンに続いてしまった。それをポルトガル人指揮官は忘れていない」

 不慣れな左サイドバックで起用されることもある酒井の現況について、同紙は次のようにも記している。

「サカイは連日のように降りかかる批評家たちの様々な文句に対処することに苦労している。毎試合のように厳しく問い詰め続け、彼のメンタリティーをむしばもうとしている。彼がハノーファーからやってきて以来、着実に進歩してきたが、左サイドで起用することは彼のやってきたこととの関係性を奪うもので、間違いなく犠牲になってしまう」

 同紙は、元マルセイユの主将ハビブ・ベイ氏の「彼のマインド、キャラクターには確信を持っている。この種の状況に立ち向かう能力もあるだろう」というコメントを紹介したうえで、「"幽霊"はたとえ自分たちのフォームを失っていても、常に準備ができている」と今後の復調に期待を寄せた。

 現地時間2月12日に行なわれたフランス・カップの準々決勝でリヨンに0-1と敗れたため、今シーズンはリーグ・アンのみとなったマルセイユ。来シーズンのCL出場権を目指していくなかで、酒井はレギュラーの座を取り戻せるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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