エリクセンのインテル移籍は“異例の条項”が2つ!トッテナムが“超やり手”だ!

2020年01月28日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

転売金もすべてインテルに負担させる。

インテル移籍が間近に迫るエリクセン。(C)Getty Images

 秒読み段階に入っているのが、トッテナムのクリスティアン・エリクセンのインテル移籍だ。
 
 デンマーク代表MFは現地時間1月27日にはイタリア入りし、メディカルチェックを受診。正式発表待ちの段階だ。
 
『スカイ・スポーツ』など現地メディアによれば、移籍金は2000万ユーロ(約25億円)になる見通し。『transfermarkt』でエリクセンの推定市場価格は9000万ユーロ(約113億円)と見積もられているが、トッテナムとの現行契約が20年夏までで、そこまで待てばフリートランスファーで移籍金ゼロになるだけに、この時点では最低限の回収はできたと見るべきか。
 
 しかし、そこは業界屈指の"タフネゴシエーター"として知られるトッテナムのダニエル・レビー会長。タダでは転ばない。移籍市場に詳しいダビド・アモヤル記者によれば、トッテナムは移籍金2000万ユーロを受け取るうえ、転売金をインテルに負担させ、さらに両クラブの親善試合の全収益を受け取る約束を取り付けたという。
 
 転売金とは、次回の移籍金の一部を前所属クラブ支払う制度。トッテナムは2013年夏にアヤックスからエリクセンを獲得する際、「売るときは移籍金の5%を払う」という契約を結んでおり、今回のケースで言えば100万ユーロ(約1億2500万円)をアヤックスに支払わなければいけない。しかしそれを、インテルに全額負担させたのだ。
 
 さらに親善試合(時期は未定)の収益も、場所にもよるがトッテナム対インテルとなれば数百万ユーロ単位の収益が見込める。これも全額をトッテナムが受け取るという。
 
 昨今の移籍市場は複雑化しており、出場数や成績に応じたボーナス、転売金の設定、移籍金の分割払い、契約解除金の設定、未来の買取り義務などが一般化しているが、転売金の先方負担、親善試合の収益全額回収は異例のケースと言っていい。もちろん本人が移籍を望んだ19年夏に売っていた場合を想定すれば少ないが、トッテナムのレビー会長はできる限りの実入りを手にしたと言えるだろう。
 
構成:ワールドサッカーダイジェスト編集部
 
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