「また同じピッチで」2年生CB藤原優大が何度も口にした最上級生への感謝。試合後に主将からは…【選手権】

2020年01月14日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

敗戦後にキャプテン・武田からかけられた言葉とは

得意のヘッドで先制点を挙げた藤原。卒業する3年生への感謝を語った。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権決勝]静岡学園3-2青森山田/1月13日(月)/埼玉スタジアム2002
 
 令和最初の選手権、2連覇の懸かる静岡学園との決勝で、貴重な先制点を叩き込んだのが青森山田の2年生CB藤原優大だ。
 
 前半11分、センターライン付近の左サイドでFKから、キッカーのMF古宿理久(3年)がゴール前に山なりのロングパスを供給すると、そこに走り込んでいた藤原がヘディングで巧みにコースを変えてネットに流し込んだ。
 
「あそこからのFKの形というのは、今年1年間、シーズンが始まったときからずっと練習をしていた。その練習していた通りにボールが来て、ポジションもあそこに入るのを練習してきたので、結果に出て嬉しかったです」
 
 その後、もう1点を追加してリードを広げるも、相手に3点を返され涙を飲んだ。壮絶なバトルを終えた藤原が、試合後しきりに語ったのは、この大会を最後に卒業する3年生への想いだった。
 
「本当にチームを引っ張ってくれたりだとか、自分たちを高めてくれたりとか、最後きついときには3年生がいた。きついときに点を取ってくれたし、人間としての力があったなと思ったし、自分もやらなければならないと思いました」
 
 キャプテンとしてチームを引っ張っただけでなく、今大会4得点を記録するなど攻撃を牽引し、浦和レッズへの加入が内定しているMF武田英寿(3年)からは、試合後に「来年もやってくれ」と、ただ一言だけ声を掛けられたという。
 
「試合前にもこれが最後だと話していて、試合が始まる前から寂しさを感じた。最後に一緒にプレーできて本当に楽しかったし、だからこそ悔しいっていうのもあるんですけど、でも5年間一緒にやってきて、本当に感謝をしている。もし自分がプロになったとき、もし自分が(浦和)レッズに行くってなったとき、やっぱり同じピッチでもう一度仲間として、もちろん敵としてでもいいし、また同じピッチでプレーしたいです」
 
 3年生への感謝を何度も口にした藤原。「もっともっと成長しなければ」そう真剣な眼差しで語る姿に、来季は最上級生となり、チームを先頭で引っ張る覚悟が見えた。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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