【川崎】「ただいま!」大学経由で古巣に帰還した三笘薫が語る五輪シーズンへの決意

2020年01月12日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「スタメン定着、少ないチャンスをモノにしていくことしか考えていない」

大学を経由して川崎に復帰した三笘。サポーターからの人気も高い。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 1月11日の川崎の新体制会見で、最も盛り上がった瞬間しかもしれない。

 川崎のアカデミー出身で、筑波大経由で古巣に復帰した三笘薫が「ただいま!」と呼びかけると、多くのサポーターが「おかえり!」と呼応。「あの反応はさすがだなと。優しく、温かいなと感じました」と三笘も心を打たれた様子だ。

 川崎U-18時代にはトップ昇格の話もあった。しかし本人は大学進学を選択。筑波大で4年間、研鑽を積み、大卒新人として古巣へ舞い戻った。大学での日々は貴重な経験だったという。

「(大学に行って)自分のプレーを積極的に出せるようになりました。それに技術も上がりましたし、身体つきも変わりました。私生活のところもより自分で厳しくできるようになりました。自分自身を見つめ直し、どこが長所なのかどこが短所なのか、プロになるためにどういった生活をしなくてはいけないかと考えられるようになりました」

 逞しさを増して帰還したテクニシャンが見据えるのは、目に見える結果であり、レギュラー奪取だ。開幕スタメンを目指すかとの問いにも「もちろん」と力強く答える。

 ただし、冷静な一面も見せる。

「フロンターレは異質なチームで、パス、トラップにこだわって狭いところを崩していくスタイル。ただそれだけでは勝てないと去年、感じていると思うので、自分の持ち味であるドリブルを活かしたいですし、カウンターの起点にもなりたい。出場機会は限られると思うので、途中から出て変化を加えたり、カウンターから仕留めるようなイメージは持っています」

 自分の能力を分析し、チームに貢献できる方法を模索しているのだ。
 東京オリンピック世代で、現在、タイで開催されているU-23アジア選手権のメンバーには選ばれなかった。同期入団の旗手玲央が、同大会に参加している点も悔しさにつながっているはずだ。

 それでも五輪出場を諦めたわけではない。「(五輪世代の試合は)いつもチェックしています。ただ、現時点で選ばれない立ち位置にはいると思うので、そこは(川崎の)キャンプで課題を克服しながら、自分に対して厳しく取り組めば、オリンピックも見えてくると思います。今はスタメン定着、少ないチャンスをモノにしていくことしか考えていないです」

 得意のドリブルを含め、テクニックはプロレベルにあると言えるだろう。あとは与えられたチャンスでしっかり結果を残すことができるか。"川崎育ち"の新時代の旗手として期待値は高い。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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