【山形|新体制】J1昇格へ――即戦力の中村充孝、渡邊凌磨など11人の新戦力に加え、前線に助っ人の補強も

2020年01月11日 頼野亜唯子

11人の新加入選手に加え、外国籍選手とも交渉中

新加入選手会見に出席した10名。前列左から高橋潤哉、渡邊凌磨、廣岡睦樹、小松駿太、加藤大樹。後列左から宮本駿晃、高山和真、小野寺健也、小野田将人、ミン・ソンジュン。写真:田中一生

 モンテディオ山形は、1月9日に石丸清隆新監督の就任会見を、同10日に新加入選手の会見を行なった。新加入選手会見には、元日に鹿島で天皇杯決勝戦を戦ったため休養期間中の中村充孝を除く10選手が顔を揃えた。

 昨季はリーグ6位、J1参入プレーオフ2回戦で涙を飲んだ山形は、木山隆之前監督(仙台)の後を託す指揮官として、愛媛、京都で指揮を執った経験のある石丸清隆監督を招聘。石丸監督は「チームが積み上げてきたものを大切にしながら、さらにそこを前進させて、攻守ともにアグレッシブに戦い、躍動感あるサッカーを展開していきたい」と語り、J1昇格への意欲を示した。

 今オフは主力の大量引き抜きが懸念されていた山形だが、坂元達裕がC大阪へ、育成型期限付き移籍だった柳貴博がF東京へ復帰したものの、多くの主力選手が残留。「何人かの選手に他クラブからオファーがあったのは事実だが、よく残ってくれた」と高山明泰強化部長は安堵の表情を見せる。その上で、「守備の土台を崩さずに、攻撃の質を高められる選手、既存の選手を脅かす選手を迎えた」と胸を張るのが新加入11名の選手たちだ。

 昨年の坂元に続き、即戦力として期待されるのが大卒ルーキーの二人だ。「フィジカルの強さを生かして攻撃の起点になったり、ゴールを決めたい」と意気込むFW高橋潤也は、山形ユースから大学を経て加入する初めての選手。地元の期待も大きい。また、大学サッカー三冠の明大から加入するDF小野寺健也はヘディングの強さが武器。栗山直樹、熊本雄太といったストロングヘッド自慢の先輩からポジションを奪えるか、楽しみな新人だ。

 移籍組では、金沢から加藤大樹、新潟から渡邊凌磨と有望な攻撃的MFを補強。さらに、前線の外国籍選手とも交渉中とのことで、昨季の悔しさを踏まえたフロントの本気度が滲み出る陣容になっている。

 若い選手が揃った新戦力の中で、この日欠席だった中村充孝は29歳。高い技術でゴールに迫るプレーはもちろん、7年間在籍したJ1鹿島で培った経験も含め、チームにもたらしてくれるものは多そうだ。市立船橋高の1年先輩にあたる山田拓巳は、「誰よりも巧くて、こっちが先輩なのにあいつにブーブー文句を言われながらプレーしていたイメージしかない。足を引っ張らないようについていきます」と、久しぶりにチームメートになる後輩を歓迎していた。

取材・文●頼野亜唯子(フリーライター)
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