「彼にはひとつの役割だけを与えたくない」クロップ監督が南野拓実の起用法について明かす

2020年01月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ミナミノをどのように起用していくのか?」その答えは――

エバートン戦のキックオフ前に南野の様子を見守るクロップ。 (C) Getty Images

 現地時間1月5日に開催されたFAカップ3回戦のエバートン戦(1-0)で、南野拓実はリバプールでの公式戦デビューを果たした。

 先発して70分までプレーしたデビューした日本代表FWについて、現地のご意見番やサポーターの反応は賛否両論といったところ。もっとも、指揮官のユルゲン・クロップは「まだ2回しか練習していないなかでのデビューで、我々が望んでいたプレーヤーだということを証明してくれた」とコメントしつつ、「彼に時間を与えてやってほしい」と釘を刺している。

 そんななか、リバプールは今週末にジョゼ・モウリーニョが率いるトッテナムとのリーグ戦を控えている。現地紙『Liverpool Echo』によれば、南野が先発する可能性は極めて低いようだが、前日記者会見で「ミナミノをどのように起用していくのか?」と問われたクロップは次のように返答した。
 
「私はザルツブルクでの彼のプレーを見て、トップ下、10番の役割を務めていたことが多いことを知っているし、セカンドストライカーとしても万能なプレーができる。日本代表では9番としてプレーできているし、ウイングもできる。エバートン戦でセンターフォワードで起用したのは、ディフェンスを考えたときに、最も違和感なく動けるポジションだと思ったからだ。

 でも、私はタクミにひとつのプレーブック、読めば何をすればいいか分かるような、限られた役割を与えたくないんだ。エバートン戦では9番の位置でプレーした。でもそこだけしかできないわけじゃない、全く違う。日本代表ではストライカーを務めるだけではなく、実際にはサイドハーフ、セカンドストライカーの役割も担っている。彼は非常に多くのタスクを求められていて、私はそのなかでプレーしている彼が好きなんだ」

 そしてドイツ人指揮官は、「完全に新しいチームで、ボールもさほど交換していない相手と一緒にプレーしながら自分の役割を見つけるには、チームワークが必要だ。そう考えても、エバートン戦の彼は並外れたパフォーマンスだった」と南野を称えた。

 また、英紙『Daily Mail』によると、次のトッテナム戦で勝利すれば、プレミアリーグは21節終了時点での最高勝点である61ポイントに到達する。記者にその点を指摘されたクロップは肩をすくめて、こう応じている。

「なんてこった、知らなかったよ。ただ、記録のために勝利することを考えることはないね。まずは彼(モウリーニョ)がマンチェスター・ユナイテッドで我々に何をしたか考えなければ。ただし、分析したとしても、彼は予測不可能なことを生み出す人だ。だからこそ、我々も予測不可能なものを生み出さなければならないんだ」

 トッテナム対リバプールの一戦は現地時間11日(日本時間12日2時30分)にキックオフされる。この試合で南野がプレミアデビューを果たすのか、注目が集まる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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