「5点決めたい」と豪語する青森山田1年生MF松木玖生。黒田監督が「柴崎岳」以上と評価するポイントは?【選手権】

2020年01月02日 長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)

難敵・米子北相手に堅守の牙城を打ち破る先制ヘッド。ゴールラッシュを導く

[高校選手権2回戦]青森山田6-0米子北/1月2日(木)/NACK5

 ゴールラッシュの口火を切ったのは、前回王者の期待のスーパールーキーだった。

 優勝候補・青森山田の初戦の相手は、攻守に好タレントを揃える10年連続出場の米子北。その強豪を相手に、青森山田は序盤からなかなか打開の糸口を見出せず、前半は中盤での潰し合いが続いた。だがハーフタイムも近づいた前半36分に待望の先制点が生まれる。

「ヒデさん(武田英寿/3年)がサイドでタメを作ってくれて、ケンさん(後藤健太/3年)のクロスも素晴らしかった。あとは決めるだけだったんですが、より高い打点で(ヘディング)シュートを打てたのではないかなと思います」

 1年生とは思えない冷静な口ぶりでそう語ったのは、U-16日本代表にも名を連ねる松木玖生(くりゅう)だ。米子北の堅守を打ち破る先制ヘッドを叩き込み、チームを勢いに乗せると、後半にチームは圧巻のゴールラッシュ。エース武田英寿の2発を含む5得点を奪い、青森山田は6-0の快勝を収めた。

 膠着状態が続いた試合展開にも、松木は「負ける気はしなかったです。自分でも決められそうな感覚があったので、これは行けるぞと思ってました」と事も無げに振り返る。

 黒田剛監督も「柴崎(岳)が1年の時よりも肝が据わっている」と認める度胸の良さだ。青森山田という全国屈指の名門校で1年生レギュラー、初の選手権という傍目にもプレッシャーの大きさが案じられる状況だが、本人は「自分的にはいつも通り。なんの変わりもない1試合でした」と、微塵もそれを感じさせない。

 おまけに「個人的には(大会通算で)5点決めたいですね。得点に絡んでチームに貢献したいです」と、まだまだ暴れ足りないといった感じだ。黒田監督はさらに「身体も柴崎の1年時よりできていて、攻守ともに貢献できているなという印象」と高い評価を与える。

 青森山田に進学したのは「小6の時に全国中学校大会の檀崎(竜孔/現札幌)さんたちのプレーを見て、すごく良いチームだと思った」のがきっかけ。青森山田ならプロに近く、「より進化できる」と、さらに数年先を見据えてもいる。

 動画で海外プレーヤーもチェックするが、意識するのは自分と同年代の選手たち。とりわけ、マンチェスター・シティの新鋭アタッカー、19歳のフィル・フォーデンは自身と同じレフティで「すごくキック精度もあるし、ゴール前に入っていくところだったり、目標にしている選手」と刺激を受けている。

「自分の特徴は推進力。後ろでゲームを作っていきながら、どんどんゴール前に飛び込んでいくプレーを意識しています」という松木。指揮官もその才能を認めるスーパールーキーが目標とする5ゴールに近づくほどに、連覇の夢もより近づいてくるはずだ。

取材・文●長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)

【選手権PHOTO】青森山田6-0米子北|前回王者が安定した戦いで好発進!浦和内定の武田が2ゴール!
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