「ホンコン・イズ・ノット・チャイナ」の横断幕も…香港対中国戦は、スタジアムの一角だけが独特の雰囲気に【現地発】

2019年12月18日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

平穏な空気が一変したのは、国歌斉唱が始まった時だった

「香港は中国じゃない」と強い反中姿勢を示す横断幕も掲げられた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 韓国で開催されているE-1選手権。19時30分からキックオフする日本代表対韓国代表の試合に先立ち、釜山のアジアドメインスタジアムでは16時15分から香港代表対中国代表の試合が行なわれている。

 香港では中国の「逃亡犯条例」の改定案を巡り抗議デモが続いていて、両者の関係は悪化の一途をたどっている。

 そんな政治的問題の影響がこの大会でも見て取れた。スタジアムには「POLICE」と書かれたジャケットを着た警備隊があちらこちらに配置され、トランシーバーを片手にアクシデントに備えている。

 香港サポーターがゾロゾロと現われ始めたのが試合開始10分前。中国のサポーターが50人程度に対し、香港のそれはおそらく300人ほどといったところだった。
 
 そして、平穏な空気が一変したのは、国歌斉唱が始まった時だった。「一国二制度」をとる両国のために、中国国歌が一度だけ演奏されたのだが、香港サポーターは一斉に背中を向けながら大きな怒号を発して反中姿勢を示していた。

 試合中にも中国がボールを持つと、大きなブーイングで威嚇。スタンドのほとんどはガラガラなのだが、香港サポーターが陣取るゴール裏だけが騒々しいという、独特の雰囲気に包まれている。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

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