「完璧な日本を苦しめたが…」なでしこ相手に惜敗の韓国女子代表を指揮官も地元メディアも絶賛!

2019年12月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

「心臓をナイフで刺されたようだ」とベル監督

終始優位に試合を進めたなでしこだったが、最後まで韓国の粘り強い守備に手を焼いた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 1点を争う息が詰まるような攻防戦は、終了間際のPKで明暗が分かれた。

 火曜日に韓国・釜山で行なわれたE-1東アジア選手権、女子最終日。ここまで2連勝のなでしこジャパンは地元・韓国との一戦に臨み、1-0で勝利を掴んだ。終始ゲームを支配したものの韓国の粘り強い守備に手を焼き、0-0のまま終盤戦へ突入。そして迎えた88分、籾木結花の放ったショットが相手選手の手に当たってPKを獲得する。これを籾木自身が冷静に決めて決勝点とし、日本が4大会ぶり3度目の優勝を飾った。

 日本は攻撃の2枚看板である岩渕真奈と長谷川唯を怪我で欠いたが、それでも自慢の流麗なチームアタックは健在。称えられて然りなのは、下馬評の低かった韓国の奮闘だろう。韓国のスポーツメディア『スポータルコリア』は、準優勝に終わった女子代表チームのパフォーマンスを大いに称えている。

「序盤から日本の圧力に押し込まれた選手たちだったが、見違えるような堅いディフェンスを披露し、得点を与えなかった。攻めても何度かチャンスを掴み、攻守両面で完璧なバランスを誇示した日本を大いに苦しめたのだ。最後のPKは不運としか言いようがない。コリン・ベル体制となってからわずか2か月で、ここまで仕上げてきた点を評価すべきだろう。今後が実に楽しみなチームだ」

 
 10月に就任したばかりの英国人指揮官、ベル監督も、試合後の会見で手応えを口にした。「結果にはとても失望している。心臓をナイフで刺されたくらいにショックだ」と切り出すも、「今日の内容からすれば引き分けが妥当だった。日本は強力な相手だったが我々は臆せず堂々と戦い抜き、一歩も後退しなかったのだから。選手たちの頑張りに賛辞を贈りたい。今後への大きな糧となる敗戦だ」とポジティブに捉えた。

 東京五輪の最終予選を控える韓国女子代表にとって、今大会は最高のリハーサルになっただろう。最終予選は中国・武漢で2月上旬に開催され、出場枠はわずかに2。韓国はオーストラリア、北朝鮮、中国など7か国とのファイナルバトルに臨む。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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