「初日から後悔」「最悪の決断だった…」テベスが中国移籍を回想。なぜ世界的名手は挑戦を決めたのか?

2019年12月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

およそ1年足らずで終わった中国での生活

愛着のあるボカでキャリアの晩年を過ごしているテベスが、中国での生活を振り返った。 (C) REUTERS/AFLO

 それは実にセンセーショナルなニュースだった。

 2016年12月、元アルゼンチン代表FWカルロス・テベスは、ボカ・ジュニオルスから中国の上海申花に移籍。当時、世界最高額となる週給72万ユーロ(当時のレートで約8900万円)を手にするかたちでのビッグネームの"アジア上陸"は、ワールドワイドな話題となった。

 しかし、テベスのアジアでの挑戦は、およそ1年足らずで終幕した。クラブスタッフから太り過ぎを指摘されるなど、相次ぐバッシングを受けた元アルゼンチン代表FWは、18年1月に古巣ボカへの復帰を果たしたのである。この時の本人の言葉を借りれば、中国での生活は、「バカンスだった」のである。

 それから約2年の月日が流れ、テベスが中国でのキャリアを振り返った。現地時間12月16日に行なわれたアルゼンチン・メディア『Tyc Sports』のインタビューで、悔恨の念を吐露している。

「偶像崇拝に疑念を抱いたことが全ての原因だった。それで大きすぎるコストをかけてしまった。中国に行ったこと? もちろん後悔している。それは俺のキャリアの中でも最悪な決断の一つだ。移籍した初日から全てが最悪だったんだ。常に『これでいいのか?』っていう疑念が付きまとった」

 そんなテベスも35歳となった。キャリアの終わりに、待遇の良いクラブに移籍することも考えられるが、本人は中国での経験から安易な決断をするつもりはないようだ。最後にこう言い残している。

「多くのオファーがあるのは確かだけど、アルゼンチンではボカ以外でプレーするつもりはない。俺はボンボネーラ(ボカの本拠地)に居たいんだ。もしも、それが叶わなかったから海外移籍を考えるだろうけど、それは家族と話し合ったうえで決めるよ」

 昨今、ヨーロッパでは得られないような大金を提示され、中国に移籍する大物選手たちが相次いでいるが、テベスの言葉はそういったスターたちへの警鐘となるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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