1月1日の移籍市場再開を前に! 欧州メガクラブの「強化部門」実力診断|レアル・マドリー編

2014年12月27日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

実質的な権限はペレス会長自身が握っている。

戦力的要求と商業的要請を同時に満たす補強戦略の巧さで、他の追随を許さないのがR・マドリーだ。 (C) Getty Images

 欧州の移籍マーケットが1月1日に再オープンする。
 
 補強の構想を描き、ターゲットを絞り込み、交渉を進め、移籍オペレーションをまとめ上げるのが、各クラブの「強化部門」だ。いわばフットボールクラブの命運を握る重要なその強化部門、では、どのクラブのそれが優れているのか?
 
 当サイトの連載コラムでもお馴染み、移籍市場を専門にカバーする記者で、各クラブの事情に通じるジャンルカ・ディ・マルツィオ記者が、メガクラブの「強化部門」を診断した!
 
※ワールドサッカーダイジェスト2014.12.18号より
 
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 戦力的要求と商業的要請を同時に満たす補強戦略の巧さで、他の追随を許さない。毎シーズン必ず、純粋な戦力としても、マーケティングやイメージ戦略の観点からもクラブにメリットをもたらす選手を補強するのだ。
 
 表向きに強化の窓口となっているのは、ゼネラルディレクター(GD)のホセ・アンヘル・サンチェス。ただし、実質的な権限はペレス会長自身が握っている。また、責任ある立場で強化に携わっているのは、会長、GD、アンチェロッティ監督の3人だけで、専任のスポーツディレクターは置いていない。その意味では極めてスリムな組織体制だと言える。
 
 弱みがあるとすれば、育成部門を軽視しすぎている点だろう。これはバルセロナと比較すると顕著で、即戦力として、しかもイメージ的にもアピール力のある、いわば完成した選手を獲得しようとする傾向が強すぎる。補強戦略において中・長期の計画性に欠けている印象が否めないのは、それゆえだ。
 
【判定】(優秀)
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
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