「今までで一番何もできなかった…」史上3度目のアジア制覇を逃した浦和。関根貴大が漏らした本音

2019年11月24日 羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb)

文字通りの完敗……

アグレッシブさは見せた関根だったが、チャンスを決めきることはできなかった。 写真:徳原隆元

 真っ赤に染まった埼玉スタジアムが静まり返った。

 11月24日、埼玉スタジアムでアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝の第2レグが行なわれ、浦和レッズは0-2でアル・ヒラルに敗戦。2戦合計0-3として2年ぶり3度目のアジア制覇を逃した。

 一進一退の攻防を繰り広げた前半をスコアレスで折り返した浦和だったが、後半になってから攻勢を強め、より激しい肉弾戦を仕掛けるようになったアル・ヒラルを前に後手に回るようになる。

 そして、74分だ。カウンターから右サイドを突破したアンドレ・カリージョが関根貴大を弾き飛ばしながら浦和陣営に侵入し、左サイドへ絶妙なボールを展開。これをセバスティアン・ジョビンコがダイレクトで折り返すと、エリア内中央でフリーとなっていたサレム・アルドゥサリが難なく押し込んだ。

 最も警戒すべきだったアル・ヒラルのサイドアタックから痛恨のアウェーゴールを奪われた浦和は、最後まで反撃の糸口を見いだせないまま。後半アディショナルタイム3分にはバフェティンビ・ゴミスにトドメの一撃を突き刺され、タイムアップの時を迎えた。

 試合終了後、試合前からホームサポーターの大声援が響き渡っていた埼玉スタジアムは、歓喜に沸くアル・ヒラルベンチとアウェーサポーターたちの声が虚しくこだました。

 文字通りの完敗に、試合後の浦和の選手たちも肩を落とした。「全てにおいて負けてしまったな」と声を振り絞ったのは、関根貴大だ。

「個人の能力もそうですし、決めきる力、守り切る力、1対1での強さ、全てにおいて僕らが負けていた。これだけ素晴らしい環境を作ってくれたサポーターの期待に応えられなかったのは、本当に申し訳なかった」

 23分にエリア内でのシュートを相手守護神に防がれ、ビッグチャンスを逸していたドリブラーは、「僕が決めていれば……」と語ったうえで、次のように続けた。

「今まで対峙してきたなかでも、これだけ能力の差を感じたのは、初めてでしたし、チームとしても完敗してしまったので……。個人的に今までで一番何もできなかった。そして、自分の弱さを改めて知る2試合になったと思います」

 J1リーグで残留争いを強いられ、苦しいシーズンを送った浦和だけに史上初の日本勢3度目のアジア制覇を逃したことは、あまりに痛恨だった。

取材・文●羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)
 
【ACL決勝第2戦】浦和0-2アルヒラル|白熱の攻防を見せるも…過密日程の中、ACL準優勝
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