「今までとは違う…」中島翔哉のコンディションに森保監督も懸念…

2019年11月20日 白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)

ポルトでの公式戦スタメンはわずか…。

ベネズエラ戦でフル出場した中島。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンチャレンジカップ]日本代表 1―4 ベネズエラ代表(11月19日/パナソニックスタジアム吹田)
 
「今の彼は、試合に常時出ている状況ではない。自分の持っているイメージと実際のプレーにギャップがあるのかどうかは分かりませんが、試合でのコンディションというところでは今までと違ったところがあったかなと思います」
 
 森保一監督がベネズエラ戦後の会見でそう評したのが、日本代表の10番、中島翔哉だ。
 
 左サイドハーフで先発し、後半はセカンドトップの位置に移った中島は、積極的にボールに絡み、随所で持ち前のテクニックや縦の推進力を発揮。ただ、ヒールパスや狙い過ぎの横パスなど不用意なボールロストが目立ち、16分、42分、46分、55分と4度あったシュートチャンスも決めきれなかった。
 
 森保監督は「チャンスを作る部分ではクオリティーを発揮したし、決めることはできませんでしたけどシュートチャンスに絡んでいる良さは出してくれたと思っています」とも擁護したが、冒頭のようにやはり"いつもの姿"ではなかったと認めている。
 
 今夏にカタールのアル・ドゥハイルからポルトガルの名門ポルトに新天地を求めた中島だが、公式戦19試合でスタメン出場はわずか3試合。ポジション争いで劣勢を強いられている。
 
 所属クラブで途中交代ばかり、もしくは出番なしの状況が続けば、誰にとってもコンディションとプレー感覚を維持するのは容易ではない。これまで森保ジャパンでは絶対的な主力に君臨してきた中島が、キルギス戦(11月14日)という大事なワールドカップ予選でベンチスタートだったのも(77分から途中出場)、そのことと無関係ではないだろう。
 
 このベネズエラ戦ではフル出場したが、前述したとおり良いところと悪いところが混在しており、本人も「見てくれた人に申し訳ないですし、自分もチームとしても悔しい結果。勝っても負けても良いところと悪いところは出るので、(改善点として)そこは受け入れてやっていきたい」とやや歯痒そうだった。
 
 12月のE-1選手権は国内組だけで臨むため、中島が次に代表合流するのは来年3月のワールドカップ予選(ミャンマー戦とモンゴル戦)。それまでに待望されるのはもちろん、ポルトでレギュラーの座を射止め、コンディションを保ってプレー感覚を磨くことだ。
 
 中島の個の打開力は間違いなく日本随一だけに、ナンバー10の復活に期待がかかる。
 
取材・文:白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)
 
【PHOTO】日本×ベネズエラを彩った美女サポーターたち
 
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