【FC東京】久保がいなくなった右サイドで異彩を放つ三田。セットプレーの鋭さはジャックナイフのようで

2019年11月03日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

大分戦では“ドンピシャ”のCKからアシスト

セットプレーという武器で存在感。三田は貴重な戦力になっている。写真:徳原隆元

 大分戦で貴重なゴールを決めたCBの渡辺が「狙っているところにちゃんと蹴ることができるクオリティは凄い」と絶賛したのが、三田のコーナーキックだった。

 前半7分、その三田のコーナーキックに渡辺が合わせたヘッドはまさに"ドンピシャ"で、その一撃が示したのは三田のパス精度の高さだった。

 正直、「今季J1のベストチームは?」と著者が訊かれたら、「今季前半戦のFC東京」と答える。久保(現マジョルカ)が右サイドハーフとして機能し、チームとして多彩な攻撃を仕掛けていたFC東京は視覚的にも楽しく、完成度も高かった。「やっていて面白かった」というキャプテンの東のコメントからも、そのチームが如何に素晴らしかったかが分かるだろう。

 シーズン後半戦のFC東京は前半戦ほどの安定感がない。それでも、前半戦とは違った武器を新たに見せているのもまた事実だ。その武器のひとつが、三田のセットプレー。鳥栖戦でもコーナーキックから直接先制ゴールを決めるなど、新たに右サイドハーフのレギュラー格となった三田は独自の武器で攻撃陣を活性化している。
 
 この夏、神戸からFC東京に復帰した三田は同クラブのアカデミー出身という背景もあり、青赤軍団への思い入れが強い。そんな彼が繰り出すパスの一つひとつに確かな想いがこめられているような気がする。

 緊張感漂う終盤戦、膠着状態もあるだろう試合をこなすなかで、三田のセットプレーはこれからも大きな武器になる。ジャックナイフのような鋭いパスで敵の守備網をどう切り裂くか。セットプレーのたびに、期待していい。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
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