「受け入れがたい挑発だ」宿敵ユベントスのDFを称賛したトリノ指揮官にサポーターがガチギレ! 解任を要求する騒動に…

2019年10月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

成績不振に加えて…

就任3年目のマッザーリ。サポーターの信頼を完全に失ってしまったようだ。(C)Getty Images

 直近の7試合で1勝2分け4敗、ヨーロッパへの切符を目指すどころか、順位表のボトム10に名前があるのだから、サポーターが不満を募らせるのも当然だ。

 ただ、トリノのウルトラスがワルテル・マッザーリ監督の解任を求めているのは、成績不振だけが理由ではない。宿敵のキャプテンを見習うように求めたからだという。

 イタリア『Sport Mediaset』によると、マッザーリ監督は10月27日の第9節カリアリ戦を前に、「例えばキエッリーニはつねに連れていきたい選手だ」とコメント。かつてリボルノで指導したジョルジョ・キエッリーニの闘争心を褒め称えた。

「練習中の彼の目には炎がある。前日にやってのけたことも、つねに忘れて次を考えるんだ。イタリア代表にとって、そしてあらゆるディフェンダーにとっての模範だよ。そういう価値を取り戻すことが必要だ」

 長年にわたってユベントスやイタリア代表の守備陣を支えてきたキエッリーニの意識の高さは、だれもが認めるところだろう。だが、言うまでもなく、そのベテランCBはユーベのキャプテンマークを巻く選手だ(現在は負傷で戦列離脱中)。

 同じ街を拠点とし、ユーベに激しい敵対心を持つトリノのファンは、ライバルの主将を模範とした指揮官が許せなかったようだ。
 
 トリノのウルトラスは声明で「もう我慢できない。マッザーリは去るべきだ。順位も内容もずっと不快。練習場はいつも閉まっている。チームのことを感じられない。応援する意欲を奪う」と、指揮官を批判。さらに「堪忍袋の緒が切れたのは、キエッリーニをトリノ選手の模範としたことだ」と続けた。

「受け入れがたい挑発だ。トリノの監督がキエッリーニのような猫背の選手を模範とすることなどあり得ない! 絶対に、だ。トリノでプレーした選手の中にも手本とすべきプレーヤーはたくさんいる。その中から選べばいいだけだ」

 さらに、ウルトラスは「カイロはそれで構わないのか?」と、ウルバーノ・カイロ会長に対応を求めた。

「自分が雇っている者が、キエッリーニをトリノの模範としたことを、カイロは受け入れられるというのか。いや、我々は、絶対に受け入れられないはずだと考える。受け入れてはならないのだ!」

 悪くなるばかりの雰囲気を変えるには、やはり結果を残すしかない。トリノは30日の第10節でラツィオと対戦。そして、その3日後にはユーベとのダービーが待っている。

 強豪との連戦で、マッザーリは1か月間遠ざかっている白星をもたらせるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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