【浦和】残留争いのなか、勝点2を失う痛恨のオウンゴール……当事者の橋岡大樹は何を思っているのか?

2019年10月30日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

決してネガティブな要素がすべてを占めるミスではない。

浦和の橋岡が広島戦のオウンゴールについて口を開いた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ31節]広島 1-1 浦和/10月29日/Eスタ

 橋岡大樹のオウンゴールは、結果としてはあまりにも痛恨だった。

 敵地に乗り込んだ広島戦、浦和はシュート16本も浴びせられる防戦一方の展開が続いたが、一瞬の隙を突いて岩波拓也の得点で先制に成功した。そのままゲームを終わらせられれば、アウェーで劣勢のなか勝点3を得られる最上の結果となっていただろう。しかも、上位陣との試合であることを踏まえれば、なおさらだ。

 しかし、88分にカウンターを食らうと、誰よりも一目散にゴール前に戻ってブロックに入った橋岡がオウンゴール。チームが残留争いをしている真っ只中で、これから鹿島や川崎ら上位陣との連戦を控えていることを踏まえれば、勝点2を失う失点はあまりにも痛かった。

 試合後、オウンゴールをしてしまった橋岡が重たい口を開いた。

「最後の最後で、ああやって自分の致命的なミスで勝点2を失うということは、凄い悔しいことではありますけど、幸い試合は続いて取り返すチャンスはまだあるということで、もう起きてしまったことはしょうがないと思って、もちろん悔しさはありますけど、だからこそ切り替えて、次の試合に本当に取り返すしかないと思っているので、くよくよせずに切り替えて次の試合で絶対に取り返したいと思います」
 そして、実際に橋岡の視点では失点時に何が起こっていたのか、次のように振り返る。

「映像を見返したら、左から(敵が)来ていると思っていたんですけど、あんまり来ていなくて、自分はフリーでコーナーにできたんじゃないかなというところもあったんですけど。でも、あれが、自分が選んだ選択でああいう風になってしまったのは、もう認めないといけないですし、うーん……、凄い悔しいですけど、本当にさっきも言った通り、起こったことはくよくよしていても何も始まらないと思うので、切り替えて次の試合を見てほしいなと思っています」

 広島戦で右ウイングバックとしてプレーした橋岡は、試合を通して3バックへのフォローを欠かさなかった。ピンチの場面では中央に絞って防ぐシーンが多く、間違いなくそのカバーリングは効いていた。そして、失点シーンも誰もが「やばい」と思った瞬間に、ブロックに入ったのが橋岡で、それがオウンゴールとなってしまったのである。すべてをかばうことはできないが、守備で奮闘していたことは、ここでしっかり触れておきたい。

 決してネガティブな要素がすべてを占めるミスではなかったのだから、本人が言う通り「くよくよしていても何も始まらない」。橋岡の次の試合での"挽回"に期待したい。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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