【横浜FC】チームを勝利に導く2アシスト。それでも皆川佑介が満足しない理由

2019年10月27日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「FWなので結果にこだわってやりたい」

久々の先発起用に2アシストという働きで応えた皆川。ただ、本人はFWとしてあくまでもゴールにこだわる姿勢を貫く。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 7月24日の24節・千葉戦以来のスタメンだった。それ以外では途中出場が続いていた皆川佑介は、38節の東京V戦で久々に先発に名を連ねる。チームは2-1で勝利。そのふたつのゴールを演出したのが皆川だった。

 まずは26分、右からのパスを敵陣ペナルティエリア内で受ける。背後からプレッシャーをかけてくる相手DFとの競り合いに負けず、しっかりとキープして、後方にいた中村俊輔に右足で丁寧にバックパス。これを俊輔が自慢の左足で叩き込む。豪快なミドルで先制点を挙げた俊輔は、「ミナ(皆川)の落としがすべて」と称えた。

 さらに54分、レアンドロ・ドミンゲスが裏に抜け出そうとする松尾佑介にスルーパスを通そうとする。これは相手DFにカットされたが、こぼれ球にいち早く反応したのが皆川だった。シュートを打つには角度があまりなかったからか、逆サイドでフリーになっていた松尾への横パスを選択。皆川のお膳立てから、松尾はきっちりとシュートを流し込んだ。

 勝点3をもたらす2アシスト。「前線からの守備だったり、チームを助ける働きをしてほしい」と下平隆宏監督から要求されていたというが、期待どおりの働きを示していたのは間違いない。1アシスト目と同様、持ち前のフィジカルを活かしたポストプレーで前線の基準点となるプレーも随所に見られた。

 ただ、FWとしてはやはりゴールが欲しかったようだ。「点が取れなかったのは悔しい」「FWなので結果にこだわってやりたい」と、この日の出来に満足した様子はない。

 次こそ、ゴールという結果を残せるか。今夏のマーケットで、広島から完全移籍で横浜FCに新天地を求めた。「J1昇格のために来た」と言葉に力をこめる。まだ"移籍後初ゴール"は生まれていない。シーズンも残り少なくなってきたなか、期待の点取り屋がゴールという形でこれまでの遅れを取り戻す働きを示せれば、チームのJ1昇格の可能性もグッと高まるはずだ。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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