【ルヴァン杯決勝|札幌】主将として臨んだ古巣との大一番に、福森晃斗が抱いた想い

2019年10月27日 佐藤香菜(サッカーダイジェスト)

ずっと秘めていた想いを大舞台で有言実行!!

2‐2で迎えた99分、福森の左足フリーキックで勝ち越しに成功する。(C)SOCCER DIGEST

[ルヴァンカップ決勝]札幌3(4PK5)3川崎/10月26日/埼玉スタジアム2002

「点を狙える場面があれば。フリーキックがあれば、狙っていきたい」

 前日の記者会見後のミックス取材でこう話し、古巣である川崎フロンターレとの大舞台での一戦を「すごく楽しみ」と心待ちにしていた福森晃斗は、自慢の"左足"を武器に、有言実行の活躍を見せた。

 2‐2で延長戦に突入した99分に、その時は来た。ペナルティーアークの右外側でチャナティップがフリーキックを獲得し、キッカーを福森が務めた。

 対面するGKはゴールやや左に構えていたが、その左ポスト際を狙ったシュートは弧を描きながらも鋭くゴールネットを突き刺した。

 福森はこのシーンについて「自分が狙いたいところに山村選手(186㌢)だったり背の高い選手がいたので、ファーサイドに蹴ろうかなと思った。(そのコースの)延長線上に立っていたのが長谷川選手(164㌢)と大島選手(168㌢)だったので、スピードのあるボールで(長谷川と大島の)壁を越せばいけるかなと思って、狙っていました」と振り返る。
 
「(プレーが中断し)蹴るまでに時間がかかりましたけど、しっかり集中してましたし、プレッシャーも何もなかった。ウォーミングアップの時からキックの調子は良かったので、あとは自分を信じて蹴るだけだった」と言い、プロキャリアをスタートさせた2011年から14年シーズンまで過ごした川崎に対して、この舞台でフリーキックを決められたことに「素直に嬉しかったです」と喜びを表現した。

 敗戦については、「あと一歩、そこが川崎に対して自分たちが足りないところ」だったと振り返り、「個人としては、(106分に交代となり)120分出られなかったことが不甲斐ない」と悔しさを滲ませつつも、「すごい楽しめました。負けはしましたけど、すごく楽しく試合できました」とコメント。

 また、メンバー達にも「楽しんだもん勝ち!」と励まし続け、ピッチを後にする際にも「残り15分しっかり楽しんでやって来い!」と皆に声をかけるなど、右太もも裏肉離れにより欠場となった宮澤裕樹から引き継いだ主将としての任務も、福森なりに精一杯果たした。

  古巣との一戦で背番号5は、キャプテンとして、フリーキッカーとして自身の存在価値を確かに示してみせた。

取材・文●佐藤香菜(サッカーダイジェスト編集部)
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