【ルヴァン杯決勝】トップ下で先発。クラブの未来を担う脇坂泰斗が初の大一番で感じた悔しさと手応え

2019年10月27日 本田健介(サッカーダイジェスト)

3度の決定機を迎えるも…

試合後には中村(14番)らと喜びをともにした脇坂(28番)。主力として初めてタイトルを獲得した。(C)SOCCER DIGEST

[ルヴァンカップ決勝]札幌3(4PK5)3川崎/10月26日/埼玉スタジアム2002

 川崎がPK戦の末に札幌を下し、初優勝を果たした今季のルヴァンカップで、川崎のトップ下で先発に起用されたのが、大卒2年目の脇坂泰斗だった。

 川崎のトップ下といえば、これまでは中村憲剛のレギュラーポジションだったが、今季は脇坂の成長により、熾烈な定位置争いが展開されている。そのなかで大一番へ向け鬼木達監督がスタメンに選んだのが脇坂だった。

 この俊英にとってタイトルを懸けたビッグマッチは初の経験。「やっぱり独特な雰囲気」があったという一戦では、「緊張はしていなかった」と振り返るが、3度の絶好機をモノにすることはできなかった。

 43分には家長昭博のクロスにフリーでヘッドで合わせるもシュートはポストに当ててしまい、57分には左からの阿部浩之のパスを相手エリア内中央でこちらもフリーで狙うも枠外。そして58分には家長の右からのパスを受けてGKとの1対1を迎えるも、再びシュートを枠から外してしまった。
「僕が決めていれば、もう少し楽になったはず。勝ててチームメイトに救われたと思います」

 試合後には優勝を喜びながら、悔しそうな表情を浮かべる姿も見られた。

 もっともチームはACLを戦っていたため、今大会はベスト8から登場したなか、準々決勝の名古屋戦、準決勝の鹿島戦では貴重なゴールを奪い、チームの決勝進出に貢献。だからこそ「(今大会)初戦から出られて力になれた気はする」と自信も掴んだようだ。

 主力として初めて手にしたタイトルに対しては「嬉しすぎて、心臓が普段しないような動きをした」と喜びを語る。この経験はさらなる成長へとつながるはずだ。

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