「年のせいにされるのはプライドが許さない」31歳の吉田麻也が、日本代表戦直後も“プレミア先発フル出場”で活躍できるワケ【現地発】

2019年10月25日 田嶋コウスケ

代表戦後に気合の入ったパフォーマンスを披露

気合の入ったパフォーマンスを続けている吉田。 (C) Getty Images

 現地時間10月19日に行われたプレミアリーグ9節のウォルバーハンプトン対サウサンプトン戦で目を引いたのは、吉田麻也の軽快な動きだった。

 日本代表の10月シリーズで、吉田はホームのモンゴル戦とアウェーのタジキスタン戦の2試合で先発。代表戦を終えると、タジキスタンから英国にとんぼ返りし、ウォルバーハンプトン戦のわずか3日前にサウサンプトンの練習に再合流した。だが、短い調整期間と長距離移動の疲れを物ともせず、先発したウォルバーハンプトン戦で盤石の守備を見せた。

 その吉田はシーズン序盤こそベンチを温める機会が多かったが、秋口に入って先発の座を奪い返した。これで、サウサンプトンでは公式戦4試合連続で先発中。守備の要として最終ラインを再び束ねるようになったが、日本代表の10月シリーズを含めると、26日間で6試合をこなすハードスケジュールとなった。しかも、この中には「英国→日本→タジキスタン→英国」の長距離移動も含まれている。

 そうなると、不安が広がるのは「肉体疲労」と「パフォーマンスの低下」だ。近年を振り返っても、岡崎慎司や香川真司を含め、プレミアリーグに身を置いた日本代表選手は「代表戦での疲労」を理由にスタメンを外れることが多かった。

 だが、吉田は代表戦直後のウォルバーハンプトン戦で先発フル出場。ピッチ上でも、疲労面の懸念を微塵も感じさせなかった。「コンディションは良い」との本人の言葉通り、パフォーマンスは非常に良かった。

 そこで、吉田に聞いてみた。日本代表とプレミアリーグをこなす過密日程は11月まで続くが、どのように体調管理に取り組んでいるか、と。吉田は「気を付けてますね」と答え、次のように説明を続けた。

「今年から僕のトレーナーさんがイギリスに来てくれているんです。今までは定期的に日本から来てくれていたんだけど、イギリスに居てくれるようになりました。そこはデカイですね。相当大きい」

 今シーズンから英国で生活を始めた専属の日本人トレーナーは、吉田の自宅から5分圏内の距離に居を構え、万全のサポート体制を整えているという。実際、ウォルバーハンプトン戦後も自宅で施術を行い、試合翌日もマッサージなどのメンテナンスを行った。

 もちろん、クラブでもメディカルチームのサポートを受けているが、専属トレーナーの渡英で"吉田専用"のより細かいケアができるようになった。しかも、メンテナンスが急遽必要になっても、直ちにトレーナーが飛んできてくれるのは選手にとって非常に心強い。吉田も「日本のトレーナーは明らかに腕がいい」と全幅の信頼を寄せていると明かした。

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